カナダの西海岸、バンクーバーアイランドにあるビクトリア大学付属の語学コースへの申込方法についてご案内します。
ビクトリア大学(University of Victoria)は、カナダ西部、ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアにある州立大学です。中規模ながら評価の高いカナダの大学として紹介記事を書いていますのでそちらも参考にしてください。
ビクトリア大学には、1970年に設立されたイングリッシュ・ランゲージ・センター(ELC)という語学研修センターがあり、毎年1000人以上の留学生がこの語学コースで学んでいます。語学コース終了後には、大学進学への道も用意されています。
ビクトリア大学の語学コース申込を一例としてご案内していますが、その他の大学やコミュニティーカレッジの語学コースへの申込も似ているため、参考にしていただければと思います。
正規学部への申込は難しいことがありますが、語学コースは比較的申込み手順が簡素化されていますので、一人でもやろうと思えばできるレベルではないかと思います。人任せではなく、自分でやってみる!を検討してみてください。
簡単な入学診断テストを受けてみよう
ビクトリア大学の語学コースは、初心者クラスや初級英語コースはありません。そのため、事前にホームページでテストを受けて、それに合格できる学生だけが入学申込できることになっています。
大学付属の語学コースということで、民間の語学学校やコミュニティーカレッジの語学コースより少し入学基準が高い印象がありますが、学習意欲の低い学生は入りにくいという、真面目に学びたい学生にとっては良い面があるかもしれません。
テストは、ビクトリア大学ELCのホームページに用意されている「Entry tests for ELC programs」のページをご覧ください。制限時間10分の簡易テストです。
(参照元:ビクトリア大学ELCの入学診断テストページ)
もし、この入学診断のテストに合格できない英語レベルであるときは、ビクトリア大学の語学コースは諦めて、別の語学学校などから始める必要があります。
英語の初級者を振り分けるテストですので、基本的な英文法が分かっていれば、合格できるレベルだと思います。
ホームページ上で行うテストのため、ズルしようと思えばできます。しかし、現地に着いてからも英語のテストがありますので、そこで合格点を取れないときは入学できないことになります。
語学コースに適した英語学習をどうすればいいのかわからないというときは、Udemyで語学コースの予習をしようのページを参考にしてください。
ビクトリア大学ELCの入学条件
ビクトリア大学ELC(語学コース)の入学条件を簡単にご案内します。
・学期が始まる時点で18歳以上であること
・カナダのビザが取得できること
・留学期間中、健康医療保険や海外留学保険等に加入すること
・プログラム内容を理解してそれに従うこと
・返金ポリシーを理解すること
・基本的な英語力があること、オンラインの入学診断テストを受けること
特別難しい条件ではありませんので、一通りホームページを読んで理解を深めておいてください。
ビクトリア大学とランゲージセンター(語学コース)の紹介動画
ビクトリア大学ELCの学費と生活費
12週間コース(1学期)に参加したケースの申込手数料・学費・ホームステイ費の内訳と合計です(2017年度)。
・入学申込料:150ドル
・プログラムデポジット(授業料内金):350ドル
・ホームステイ申込料:250ドル
・12週間コース授業料(3950ドルから内金350ドルを引いた額):3600ドル
・ホームステイ料金(月額850ドルx3ヶ月):2550ドル
・合計:6900ドル
1カナダドルを82円とすると、日本円で565,800円になります。
※ホームステイは滞在日数により異なります。1ヶ月850ドル、追加は28ドル/日で計算されます。2018年からは、1ヶ月950ドル、追加は32ドル/日になります。交通費や遊興費などは含まれていません。
ビクトリア大学のキャンパスやアクティビティが紹介された動画
ビクトリア大学ELCの入学申込書とホームステイ申込書の記入
ビクトリア大学の語学コースへの申込には、「語学コース入学申込書」と「ホームステイ申込書」が必要になります。
それぞれの申込書は、How to applyのページからPDFフォーマットでダウンロードできます。
ビクトリア大学の語学コースは、12週間の学期コース、4~9週間のサマーコース、4週間コースなどがあります。Fees & datesのページでスケジュールと費用を確認して、自分の予定に合わせて選んでください。
ホームステイに関しては、Homestay Student Guidelinesという利用規約がありますので、予め確認しておきましょう(日本語の資料もあります)。自分で滞在先を探すのであれば、ホームステイの申込は必要ありません。
(それぞれの記入方法については、ビクトリア大学ELCの入学申込書の記入方法にて詳細をご案内しています。)
必要書類の提出
入学申込書とホームステイ申込書は、メール、FAX、郵送のいずれかで提出します。複数の方法で送ってしまうと混乱が生じますので、どれか一つの方法で提出してください。
送付先となるメールアドレス、FAX番号、住所は変更になることがありますので、ビクトリア大学ELCの申込ページにて確認してください。
メールに申込書を添付して送信する方法は、Gmail のメールにファイルを添付して送信するを参照してください。
FAXはローソンなどのコンビニにあるマルチコピー機を利用したり(海外に送信できない端末もあります)、インターネット回線を通じてFAXの送受信を行うeFaxといったサービスもあります。
郵便については、書留にした方が安心です。カナダでは郵便局が時々ストライキを起こしたり、日本のように迅速に配達してくれるとは限りませんので、締切日が近いときには気をつけてください。
申込手数料とデポジットの支払い
入学申込時に必要となる支払いは、入学申込手数料(150ドル)、デポジット(授業料の内金となる350ドル)、ホームステイ申込手数料(250ドル)の合計750ドルです。
※金額は2017年のものです。変更になることがありますので正確な金額はその都度確認してください。
支払いを完了するまで、入学審査が行われませんので気をつけてください。申込をしたのに何も進まないと心配して待っていたら、実は支払いが済んでいなかったというのは時々聞く話です。
通常、申込をした後に大学の担当者からメールで支払いの連絡などがあります。申込んだから終わりではなく、大学側から送られてくる連絡メールを確認するようにしてください。
支払い方法は、クレジットカード、銀行振込(国際送金)、ウエスタンユニオンなどがあります。
入学申込書に支払い方法を選択する欄がありますので、希望する支払い方法を選んだ上で、支払いをしてください。
クレジットカードを選んだ際には、入学申込書送付の後、大学側から支払いを行うウェブサイトのアドレスがメールで連絡されてきますので、指示に従ってオンライン決済を行います。
クレジットカードをこの機会に手に入れるのであれば、留学と海外渡航のためのクレジットカード選びを参考にしてください。
銀行振込(国際送金)を選択した際には、入学申込書に大学側の振込先情報が記入されているので、それを参考に送金を行います。
海外への送金については、便利な海外送金サービスを利用しようのページを参考にしてください。国際送金が完了した後には、メールで大学側に支払いが完了したことを連絡をしてください。
入学申込と支払いが完了して、書類等に不備がなければ、入学許可書がメールと郵送で送られてきます。語学コースの場合は、大学の正規学部と違って厳しい審査があるわけではないので比較的早く返信がくると思います。
大学からのメールが受信できない問題について
昨今はスマートフォンを利用している方が多いと思います。携帯電話会社から提供されているメールアドレス(@docomo、@softbank、@ezwebなど)では、迷惑メールや不審なメールを受信しないシステムが強化されており、その中で携帯電話以外から送られてくるメールや海外からのメールが勝手に受信拒否されてしまうことがあります。
携帯メールの細かい設定方法が分かっていれば大丈夫かもしれませんが、海外の大学とのやり取りには無料で使えるGmailメールなどを利用した方が安心だと思います。Gmailはスマートフォンでもパソコンでも使えます。
入学申込書をメールやFAXで送信した後、1週間程度経過しても大学から何の連絡もないときは、自分の名前と入学申込書の送信日時を明記の上、大学に確認のメールを送ってください。
大学側でメール連絡を忘れることが稀にあるかもしれませんが、こちらでメール受信拒否している確率の方が高いと思います。
大学に連絡する際には、大学からのメールを受信拒否をしないように、メール受信の設定変更するのを忘れないようにしてください。詳しくは、ご利用のスマホのマニュアルやメールサービスのページで設定方法を確認してください。(参照:ドコモ・メール設定)
カナダ就学許可証(Study Permit)の申請
入学許可証が大学から送られてきた後、カナダ移民局に就学許可証(Study Permit)の申請を行います。
就学許可証(Study Permit)については、カナダ留学のための学生ビザ申請のページで詳しく説明していますので参考にしてください。
自分で行うには難しいと思ったら、代行でやってくれる会社があるのでそちらに頼んでもよいでしょう。ホームページの情報をしっかり読んだり、電話連絡をしてみるなど、信頼のおける会社であるか確認してから依頼してください。
就学許可証(Study Permit)が入手できたら、渡航準備に入りましょう。
残りの授業料を支払う
入学申込の際には、入学申込手数料+デポジット(授業料の内金)+ホームステイ申込手数料の支払いをしますが、後々、授業料やホームステイの支払いが必要になります。
授業料(1学期分または選択したコースの授業料からデポジットを引いた額)は、授業が開始する5週間前までに全額を支払います。支払いが遅れると延滞料として100ドル加算されますので気をつけてください。
入学希望者が多いときには、支払いが遅れるとキャンセルされる可能性がありますので、入学許可がでたら早めに支払いを行ってください。
支払いは、入学申込時と同様に、クレジットカードや銀行振込(国際送金)などで行います。
ホームステイ料金は、現地についてからホストファミリーに直接支払うことになっています。
必要以上の現金を持ち歩くのが不安なときは、海外用のプリペードカードなどを用意しておきましょう。カナダに着いてからホストファミリーにお願いして、銀行やATMのあるところへ連れて行ってもらい、カードでお金を引き出してホームステイ料金を払ってもよいです。詳しくはカナダにお金を持っていく方法も参考にしてください。
医療保険または海外留学保険の購入
ビクトリア大学をはじめカナダの大学やコミュニティーカレッジに通う際には、医療保険に入ることが必須となります。
カナダでは医療保険に入っていない場合、簡単な治療でも高額な治療費が必要となります。手術が必要になれば、数百万円から1千万円を越えることも珍しくありません。救急車に来てもらうだけでも数万円かかります。
最初の3ヶ月~半年くらいは、日本の保険会社から購入して、現地の生活に慣れたらカナダの医療保険を購入してもよいでしょう。カナダでの緊急時の連絡、病院や医師の選択に不安があるときは、日本語対応してくれる海外旅行(留学)保険に加入していると安心だと思います。
ビクトリア大学では、3ヶ月未満の短期~長期留学に適した民間の医療保険が紹介されており、ホームページから申込みができます。補償内容が異なるため一概に日本の保険会社と比べられませんが、比較的安く購入できると思います。
6ヶ月以上の留学では、ブリティッシュ・コロンビア・メディカル・サービスプラン(BCMSP) の加入が必須となります。これは日本でいうところの国民健康保険で、現地に着いてから購入します。入学後のミーティングやオリエンテーションで案内があるはずですが、大学の担当者にも確認してください。
BCメディカル・サービスプランは加入後3ヶ月間は猶予期間となっていて、病気や怪我をしても保障されません。そのため、最初の3ヶ月間は別の保険に同時に入っておく必要があります。
BCメディカル・サービスプランは医療費だけカバーされるもので、海外旅行保険のように幅広くカバーされるものではありません。補償内容を確認の上、必要であれば、AIUや損保ジャパンなど海外旅行保険を同時に用意することも検討してください。
ビクトリアへの行き方
一通りの手続きが終了して、就学許可証(Study Permit)が手に入ったらカナダへ行く準備をしましょう。
ビクトリアへ行くには、国内の主要空港(成田・羽田・関西) → バンクーバー → ビクトリアというのが一番簡単なルートでしょう。
バンクーバー国際空港に着いたら、入国審査を経て、ビクトリア国際空港行きの飛行機に乗り替えることができます。日本からバンクーバーまでは10~11時間くらい、そして、バンクーバーからビクトリアは20~30分くらいで着きます(乗換などの待ち時間を除く)。
バンクーバーからビクトリアへはバスやフェリーでもいけますが、3時間以上かかりますし、初めてカナダに行くときには迷ったりすると大変だと思いますので、最初は空路での移動をお勧めします。
カナダ・ビクトリアまでの航空券選び
楽天トラベルなどで、最寄りの空港(成田・羽田・関西)を選んで、最終目的地であるビクトリアまでのチケットを探してみてください。
地方空港から行くこともできないことはありませんが、一旦、成田・羽田・関西に行って乗り換えになります。地方からの便は、毎日定期的に飛んでいないことがあり、日を選ばないと乗り継ぎが難しいことがあります。
地方空港から無理に出発しようとすると、料金が高くなることがありますし、成田・羽田・関西空港に着いてから待ち時間が長く不便なことがあります。
地域によっては、バス、新幹線、電車で主要空港へ行った方が行きやすいことがありますので検討してください。
福岡など九州地域からは、韓国の仁川で乗り換えた方が楽にカナダに行けるケースもあります。
詳しくは、カナダへはどうやって行きますか?のページも参考にしてください。
地方からのルート例:
・札幌 → 羽田 → バンクーバー → ビクトリア
・中部(名古屋)→ 羽田 → バンクーバー → ビクトリア
・福岡 → 仁川(韓国)→ バンクーバー → ビクトリア
カナダに航空機で行く際には、Electronic Travel Authorization (eTA)という電子渡航認証が必要になります。詳しくは、カナダ入国にeTAが必要のページを参考にしてください。
アメリカで乗り替えるルートを選ぶこともできますが、乗り継ぎでもアメリカで入国審査があります。アメリカ経由で行く際には、ESTA(電子渡航認証システム)への登録が必要となりますので忘れないようにしてください。
ホストファミリーに出迎えの依頼をしておく
ホームステイを申込んでいる際には、ホストファミリーがビクトリア国際空港で出迎えをしてくれます。
予めホストファミリーに、到着の日時とフライトナンバーをメールや手紙などで連絡しておきましょう。
出発の準備
入学許可書が届き、就学許可証の取得、航空券の予約などが終わった後は、カナダ留学まであと少しです。
スーツーケースを購入したりとカナダ行きに必要なものを準備して希望に溢れてくる時期でしょう。
ここまで自分でやり遂げた充実感もきっとあると思います。でも、ここからが新たなスタートです。気を抜かないでカナダに行ってください。
カナダのビクトリアは、観光地としても有名でとても綺麗なところです。温暖な気候を活かしたガーデニングが盛んで、街中のちょっとした景色も素敵なところです。
カナダ全般に言えることではありますが、ビクトリア周辺も自然が美しく、アウトドアスポーツが盛んです。ビクトリアのあるバンクーバーアイランドは、太平洋と海峡に囲まれた島なので海でのアクティビティもあり、シーフードも美味しいです。
大学で学ぶこと以外に、様々なことにチャレンジして、有意義なカナダ留学生活を送って欲しいと思います。
Photo by Gary Bembridge
※申込方法、コース概要、授業スケジュールや費用等は執筆時のもので、以後、変更になる場合があります。最新情報は、大学のホームページにてご確認をお願いします。