カナダ・アルバータ州にあるアルバータ大学(University of Alberta)は、カナダ西部の名門大学の一つとして知られています。カナダの大学ラインキングでは、毎年上位にランクしており、世界ランキングでは、調査会社により60~100位くらい入ってくるほどレベルが高いです。
アルバータ大学のEnglish Language Schoolは、1973年設立された歴史のある語学コースです。ランキング上位の大学ということもあり、高水準の語学教育を行うことで知られています。
基本的に、通常の語学コースと大学入学準備の英語コースが用意されています。講師は70名ほどで、大卒およびTESL(Teaching English as a Second Language)の資格保持者です。
アルバータ大学ついては、研究が盛んなカナダ上位の大学:アルバータ大学のページでご紹介しています。
アルバータ大学のキャンパスを紹介した動画↓
アルバータ大学入学に必要なTOEFLとIELTSのスコア
語学コースの話に入る前に、アルバータ大学の正規学部入学に必要な英語要件を確認しておきましょう。
アルバータ大学の入学に必要な英語力を測るテストは、複数あります。メジャーなところで、TOEFLとIELTSのスコアは下記のとおりです。
TOEFL:At least 90 with a minimum score of 21 points in each section
IELTS :At least 6.5 with no band less than 5.5
最低でも、TOEFLは90(各セクションは21以上)、IELTSは6.5(各セクションは5.5以上)が必要ということです。TOEFLでいえばボーダーラインが90で、実際に入学するには、他の学生との競い合いでそれ以上が必要になる可能性があります。
学部によっては、高いスピーキングの能力が求められるため、上記に加えて、TOEFLのスピーキングセクションで26以上、IELTSのスピーキングセクションで7.5以上が求められます。
その他、CAEL、 CanTEST、CAE、CPE 、MELAB、PTEのテストでも可能です。これらは、日本では余り馴染みのないテストですので、必要に応じて大学のLanguage Requirementsのページで確認してください。
アルバータ大学の語学コース
通常の語学コースには、Intensive Day Program(IDP)とAcademic English for Undergraduate Admission(EAP)の2つがあります。EAPは大学準備の英語コースになりますので、IDPより上位のコースになります。
アルバータ大学の語学コースでは、入学時にテストを行い、その結果に応じて、どのレベルのクラスからスタートするか決まります。
入学時のテストでは、Pearson Versant English Placement Testが採用れており、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングがテストされます。
アルバータ大学の語学コースは、1学期が7週間と短いところにも特徴があります。1年間に6学期あり、各学期は短期集中のスタイルになっています。
約二ヶ月ごとにクラスが始まるので、比較的、いつでも申込める便利な点もあります。
Intensive Day Programは、一般的な語学コースで、ESL105、ESL110、ESL115、ESL120、ESL125といったクラスに分かれて学びます。
基本的な英会話から中級以上のスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの能力を身につけるクラスになっています。
IDPは月曜から金曜まで、1日につき4時間の授業があり、午前か午後の授業、どちらか一つを選択します。
・午前のコース:8:30 am – 12:30 pm
・午後のコース:1:00 pm – 5:00 pm
費用は、1コース(7週間)につき、2317ドルです。入学時のテストは、80ドルです。(2018年度)
アルバータ大学のEnglish Language Schoolがあるエドモントのダウンタウンを紹介する動画↓
大学入学準備レベルの英語コース
Academic English for Undergraduate Admission(EAP)は、大学入学準備レベルの英語コースになります。コースは、EAP135、EAP140、EAP145という3レベルがあります。通常、IDPを終了してから進む語学コースです。
月曜から金曜まで、1日につき4時間の授業があり、午前か午後の授業、どちらか一つを選択します。
・午前のコース:8:30 am – 12:30 pm
・午後のコース:1:00 pm – 5:00 pm
費用は、1コース(7週間)につき、2366ドルです(2018年度)。
IDPを取らずにEAPを受講することは可能ですが、それには入学時の英語テストでよい成績を出すか、要件に合うTOEFLやIELTSのスコアの提出が必要です。それぞれのクラスの受講要件は下記のとおりです。
EAPコース |
受講要件 |
EAP135 |
TOEFLが65(各セクションが16以上)、IELTSが5.0(各セクションが4.5以上)。または、ESL125を規定以上の成績で終了していること。 |
EAP140 | TOEFLが70(各セクションが17以上)、IELTSが5.5(各セクションが5.0以上)。または、EAP135を規定以上の成績で終了していること。 |
EAP145 | EAP140を規定以上の成績で終了していること。 |
なお、EAP140とEAP145を終了することで、アルバータ大学に入学するために必要な英語要件を満すことになります。これにより、TOEFLやIELTSのテストスコアの提出は必要なくなります。
大学入学へ繋げるブリッジング・プログラム
アルバータ大学の入学申込に際して、高校や大学の成績が入学基準を満たしている状況で、あと少しTOEFLやIELTSのスコアが足りないといったときには、ブリッジング・プログラムからスタートできます。いわゆる条件付き入学です。
ブリッジング・プログラムには、3つのステージがあります。
ステージ | 選択するコース、期間、費用(2018年度) |
ステージ1 |
コース:EAP135 期間:2ヶ月 費用:2366ドル |
ステージ2 |
コース:EAP140 + BP101(Bridging Program 101)と EAP145 + Intro to Lit(Introduction to Literature) 期間:4ヶ月 費用:EAP140:2366ドル、EAP145:2366ドル。 その他のコース(3クレジット)は、各コースにつき2101ドル |
ステージ3 | コース:英語、経済、ライティングなど大学1年生の必須科目(ブリッジング・プログラムのために用意されたものを選択) |
ブリッジング・プログラム・ステージ1では、大学入学準備レベルの英語コースEAP135を学びます。ステージ1を終了した後、ステージ2に進むことができます。
ブリッジング・プログラム・ステージ2では、大学入学準備レベルの英語コース(EAP140とEAP145)に加え、アルバータ大学で成功するために重要な概念、必要な英語力、大学での学び方など基本事項を学びます。また、大学1年の必須科目となる英文学やライティングに備えるなど、1年目でつまづきやすい留学生のための補助的なコースを学びます。
ステージ2を規定の成績で終了することで、アルバータ大学の正規学部に移行できます。そして、ステージ3へ進むことができます。
ブリッジング・プログラム・ステージ3では、大学1年生の必須科目が、小さいクラスで提供されます。
アルバータ大学のように、大きな大学の1年生のクラスは、1クラスにたくさんの学生がいて、教授に質問するのが難しかったり、講義に集中できない、仲間もできにくく孤立してしまうといった問題が留学生には起こりがちです。
留学生をサポートするために、ブリッジング・プログラム・ステージ3では、大学の必須科目が小さいクラスで受講でき、留学生に理解のある教授による講義や学習をサポートしてくれるチューターが付くなどのサポートがあります。
こういった環境で大学にまず慣れて、その後、アルバータ大学で成功してもらおうというのが、ブリッジング・プログラムの目的の一つです。
このブリッジング・プログラムの語学コースは、12ヶ月以内に終了しなければなりません。 英語コースがパスできないときは、EAP135 は2回まで、EAP140と145は3回まで再受講できます。
いずれのケースでも、ブリッジング・プログラムを12ヶ月以内に終了できない場合は、このプログラムから脱落となり、アルバータ大学の条件付き入学も終わりとなります。こうなってしまうと、ブリッジング・プログラムは、再度、受講することはできません。
その他、ブリッジング・プログラムが提供されている学部には制限があり、提供される学期が学部によって異なることがあるというように色々なルールや決めごとがあります。詳細は、大学のホームページで確認したり、ブリッジング・プログラムのアドバイザーに相談してください。
ブリッジング・プログラムに入学するには?
ブリッジング・プログラムに入学するには、高校や大学の成績がアルバータ大学の求める要件以上であること、英語力がブリッジング・プログラムの要件を満たしているという2つが条件があります。
高校や大学の成績は、希望する学部によって異なりますが、たとえば、基本の5科目(英語、数学、科学、社会など)の成績が、文系では70~80%の成績(50%以下では落第になる基準)が必要です。大学の成績は、4段階で2.0以上が必要です。ただし、これらは最低ラインの成績なので、それが必ずしも合格ラインではありません。
英語要件については、下記のようになります。TOEFLやIELTSで指定以上のスコアを持っている、または、指定された語学コース(ESL125やEAP135)を終了していることが条件になります。
ブリッジング・プログラム1:
・TOEFL iBT: 65 -69 (各セクションは16以上)
・IELTS: 5.0 (各セクションは4.5以上)
・ESL 125を規定の成績で終了している
ブリッジング・プログラム2:
・TOEFL iBT: 70 – 89 (各セクションは17以上)
・IELTS: 5.5 – 6.0 (各セクションは5以上)
・EAP 135を規定の成績で終了している
夏留学の語学コース
大学進学の語学コースの話題からは外れてしまいますが、8月には夏限定の3週間の語学コースがあります。
夏休みを利用してカナダに来る学生に、「夏留学」として短期の語学レッスンを提供しています。特にリスニングとスピーイングに重点が置かれる語学コースになっています。夏限定のコースで、通常の語学コースとは異なるものです。
エドモントンの冬は、とても寒くなりますのでおすすめしませんが^^; 夏は蒸し暑い日本とは違って、湿気が少なく過ごしやすくて訪れるにはとてもよいシーズンです。
2018年度のスケジュールと料金:
開催日程 | 英語力のテスト | 料金 |
8月2日~8月23日 | 8月2日 | 1500ドル |
ホームステイと学生寮
語学コースに入学する際には、ホームステイ、または、学生寮に滞在することができます。
ホームステイは、入学時に18歳以上であれば申込みができます。ホームステイは、現地のカナダ人家族と一緒に生活して交流できるので、とてもよい制度だと思います。バスが通っているルートにある家で、45分以内で学校に通える条件で、ホームステイ先を用意してくれるそうです。
学生寮に関しては、大学内または大学の近くにあります。残念なことに、正規学部の学生が優先されるので、語学コースの学生は、空室があれば入れるということになるようです。予定が決まったら早めに申込んでみてください。
語学コースの教室は、学生寮があるメインキャンパスではなく、ダウンタウンにあるEnterprise Squareにあります。メインキャンパスにあるUniversity Stationという駅から電車で5分位です。
大学の紹介動画では、夏の清々しいシーズンの景色ばかり映っているように思いますが、エドモントは冬が非常に厳しいです。
ホームステイ先からバスで通うといっても、バス停で待っているだけでも大変なことがあると思います。電車で地下に駅があるところはいいですが、地上は寒いです。寒さに弱い方は、かなり防寒対策が必要でしょう。
エドモントンの冬は、特別寒い2~3ヶ月間、我慢すればいいだけで、巷で言われるほど厳しくないと言う人がいる一方、私の友人は、冬の通学に耐えきれずにエドモントンから引越しました^^;
ある冬の日のエドモントン↓
Photo by Kurt Bauschardt
語学コース入学の申込み
語学コースは、Intensive Day Program(IDP)とAcademic English for Undergraduate Admission(EAP)の2つあります。どちらに申込むかは、ご自身の英語レベルによります。
TOEFLやIELTSといった英語テストを受けたことがない、または、TOEFLやIELTSを受けたことがあるけどEAPの英語要件を満たさないときは、IDPに申込んでください。
☆EAPの英語要件:TOEFLが65(各セクションが16以上)、 IELTSが5.0 ( 各セクションが4.5以上)。
TOEFLやIELTSを受けたことがあり、EAPの要件を満たすのであれば、EAPに申込むことができます。EAPの受講要件については、このページの上の方でもご案内しています。
申込みは、English Language Schoolのページから行います。オンラインまたは書面で申込みができます。書面では1ページの申込用紙で、複雑な内容ではありませんので、辞書片手でも申込めると思います。
ブリッジング・プログラムは、語学コースを含んでいますが、条件付きの正規学部への入学申請となり、語学コースの申込みとは異なります。
優れた語学コースだけど厳しい反面も・・・
大学附属の語学コースで、留学生のサポートも含めて、非常に整ったシステムの中で運営されていると思います。カナダ上位の大学ですので、語学コースも厳しく、短期間で必要なコースを完了するのは難しいと思うので、腰を据えて学んでみてはどうでしょう。
アルバータ大学に入るには、語学コースを終了するだけではなく、高校や大学の成績も重要になります。もし、高校の成績が、アルバータ大学の要件を満たさないときは、アルバータ州にあるコミカレで学んで、大学編入を検討した方がいいかと思います。
7週間という短い期間で1コースを終了していきます。少し気を抜いていると、講義についていくのが大変になったり、課題提出が遅れてしまうことがあるかもしれません。
一日4時間、午前か午後に学ぶスタイルですが、学校が半日だけとなると遊びの誘惑も多く、学習が疎かになってしまう留学生もいます。せっかく有名な大学の一機関で学べるのですから、一日一日を大切に学んで素晴らしい経験にして欲しいと思います。
>>>次のページでは、 アルバータ大学・語学コースへの申込方法をご案内します。
参考リンク:
・Intensive Day Program Courses:アルバータ大学の一般語学コース
・English for Undergraduate Admission:アルバータ大学の大学入学準備の英語コース
・Bridging Program:アルバータ大学のブリッジング・プログラム(条件付き入学)
・Language Requirements:アルバータ大学の正規学部入学に必要な英語要件
Photo by IQRemix
※大学のコース概要、スケジュールや費用等は、変更になる場合があります。ドルと表示されている金額は、カナダドルです。最新情報は、大学のホームページにて入手してください。