近年、アメリカやヨーロッパでは、移民受入れが最悪の結果を招いているとして大きく取り上げられるようになっています。
当初は、各国で移民を寛容に受け入れてきましたが、移民の数が多くなりすぎて国の財政を圧迫するようになったり、犯罪が横行するようになって、自国民が安心して暮らせなくなる国が増えています。
移民問題は日本にとっても重大な課題で、これを海外留学で学ぶということは将来に役立つ可能性があります。
カナダは多民族国家と呼ばれ、毎年たくさんの移民と難民を受け入れています。そのカナダの大学で移民問題や移民制度について学ぶということは、留学の選択肢として検討してもよいのではないでしょうか。
外国人が増えている日本と移民問題
日本では、就労や観光で入国してくる外国人が増えており、地元住民の生活が圧迫されたり、各地で犯罪も増えています。
Yahoo!ニュースなどで事件記事を読んでいると、毎日のように外国人犯罪のニュースで溢れています。日本は安全な国として知られてきましたが、音を立てて崩れているといえるでしょう。
自分の住んでいる地域では大きな問題が起きていない方にとっては、対岸の火事かもしれませんが、外国人が増えていることを身近に感じている人は多いのではないでしょうか。
埼玉県川口市で増えるクルド人問題について語る青山繁晴議員↓
本来、外国人は労働力の足りないところを補ってくれる貴重な人材ですが、今の日本の政策において大量の外国人を受け入れることは、マイナス面も大きくなってきています。
今まで安全であった日本では、外国人犯罪に対して体制が整っておらず、外国人にとっては簡単に犯罪で金儲けができる国と言われています。
「外国人が増える=犯罪が増える」といえば、偏見と思われることがあるかもしれませんが、今の日本では犯罪目的の外国人が多数流入しており、彼らが犯罪を犯しても、それを適切に裁ける司法システムが整っていません。
ヨーロッパやアメリカでも、犯罪増加や財政圧迫で、これ以上は移民を受け入れられないと悲鳴を上げる人たちが増えている実態があります。
分かりやすい例としてよく上げられるのがスウェーデンです。スウェーデンは移民の受け入れに寛容で、人口の約2割が移民や難民などの外国人になってしまいました。
その結果、福祉が充実して平和な国が、外国人ギャングがはびこる国になっているそうです。
たくさんの移民を受け入れたスウェーディンの没落について↓
スウェーデンをはじめ、ドイツなどヨーロッパ諸国の例を見ても、やみくもに移民を受け入れると悲惨な状況になってしまうことが分かります。
移民問題を放置していると、日本でも犯罪がどんどん蔓延して、ギャングたちが街を納めるような地域が出てくるかもしれません。決して映画の中の話ではなく、他国では誤った移民政策によって実際に起こっていることです。
移民を多く受け入れている国で学ぶ
日本が移民問題で迷走している現状を憂いて、どうしたらいいのか、と考えている方もいるのではないでしょうか。
そのような時に、海外の移民政策や外国人の雇用制度を学ぶことは、日本での移民や外国人問題に関して解決の糸口になるかもしれません。
カナダは移民の国として知られており、毎年多くの移民を受け入れています。移民を受け入れることで経済が発展して、国が繫栄してきたという歴史があるため、カナダでは移民の受け入れには寛容です(少なくとも今までは・・・後述)。
カナダは多民族国家と言われ、特にバンクーバーやトロントといった都市部の街中を歩いていると色々な人種の人たちが生活していることが見て取れます。近年は移民や留学生が増えて、地方都市にも外国人がたくさん入ってきています。
移民の国であるカナダでは、大学や大学院で移民について学ぶ機会が多くあります。
日本で移民について学べないわけではありませんが、カナダと違って日本はたくさんの移民を受け入れてきた歴史があるわけではなく、実体験的に学ぶ機会は少ないと思います。
カナダに住んで、自らが外国人として生活しながら、移民政策や移民問題を学ぶというのは、留学して学ぶ貴重な機会の一つではないかと思います。
以下では、移民について学ぶことができるカナダの大学・大学院および学部等について簡単にご紹介します。
詳細については、各大学・大学院のホームページでシラバスなどを確認して、どんな科目があるのか、どんなことが学べるのか、自分が学びたいことがあるのか、調べてください。
なお、移民だけを専門に学ぶ・研究するというのは大学院のコースに多く、大学レベルでは広い範囲で学ぶため、社会学・政治学・地理学・人文地理学・国際関係学・公共政策学・都市学(都市社会学)・福祉学・公衆衛生学・犯罪学などを学びながら、移民についても学ぶ構成になります。
自らの興味や将来の仕事につなげることなどを考えながら、学部や専攻を検討してください。
移民問題と移民制度を学べるカナダの大学
カナダで移民について学べる4年制大学をご紹介します。一部をご紹介したもので、他の大学でも学べることがあります。ご紹介する順番はランダムです(おすすめ順やランキング形式ではありません)。
コース・プログラムの概要は、移民に関して学ぶ範囲で特徴を要約したものです。大学ではその他の教科も幅広く学びます。選択する教科によっては、概要通りにならない、または自らの選択で違う分野を学ぶことも可能です。詳細は、大学のホームページにて確認してください。
学科・プログラム名・学べる内容などは、変更される場合があります。不明な点は、学部または教授にメールを送って質問してください。
※学科・プログラム欄で記載されている(BA)は、Bachelor of Arts(人文科学や社会科学で得られる文学士号)を意味します。
🍁Toronto Metropolitan University (Ryerson University)
・学科・プログラム:Sociology または Social Work (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムでは、都市問題に重点を置いており、移民、定住、多様性に関するコースを提供しています。移民コミュニティの中心地であるトロントに位置し、実践的な学習の機会を提供しています。
・トロント・メトロポリタン大学のリンク:https://www.torontomu.ca/
🍁University of British Columbia
・学科・プログラム:Human Geography または Political Science (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムでは、世界の移民の動向、関連する政策、それらの影響について深く掘り下げています。バンクーバーの多様な文化が共存する環境は、学生が移民問題に実際に触れ、理解を深める上で有利に働くでしょう。
・ブリティッシュ・コロンビア大学のリンク:https://www.ubc.ca/
🍁York University
・学科・プログラム:Global Health (BA) または Sociology (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムでは、移民研究と、移民がもたらす健康への影響について深く学べるコースが充実しています。これは、多様性とインクルージョンを重視し、研究活動を活発に行う大学の特色と結びついています。
・ヨーク大学のリンク:https://www.yorku.ca/
🍁Memorial University of Newfoundland
・学科・プログラム:Sociology または Geography (BA)
・コースの特徴:小規模なコミュニティにおける移民の研究に適しており、このプログラムでは、カナダ大西洋州の州ノミネートプログラム(PNP)に関連する研究と学習の機会を提供しています。
・ニューファンドランドメモリアル大学のリンク:https://www.mun.ca/
🍁University of Winnipeg
・学科・プログラム:Urban and Inner-City Studies (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムでは、都市への移住とコミュニティの発展について学びます。都市への人の流れと、それによる地域社会の変化を探り、移民が都市の暮らしにどのような影響を与えるか、実践的な視点から学ぶことができます。
・ウィニペグ大学のリンク:https://www.uwinnipeg.ca/
🍁Lakehead University
・学科・プログラム:Sociology または Public Health (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムでは、農村部や小規模都市圏への移民の影響を重視しており、社会統合と公衆衛生に焦点を当てて学ぶことができます。
・レイクヘッド大学のリンク:https://www.lakeheadu.ca/
🍁Brock University
・学科・プログラム:Social Justice and Equity Studies (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムは、社会に存在する不平等、特に移民に関する問題に取り組むことを目的としています。応用的な学習と研究を重視しているのが特徴です。
・ブロック大学のリンク:https://brocku.ca/
🍁Wilfrid Laurier University
・学科・プログラム:Sociology (BA) または Political Science (BA)
・コースの特徴:この学部プログラムでは、移民、定住、公共政策について総合的に学びます。学生は擁護活動の分野や政府機関でのキャリアを目指すための基礎を築くことができるコースです。
・ウィルフリッド・ローリエ大学のリンク:https://www.wlu.ca/
🍁University of Regina
・学科・プログラム:Public Policy or Sociology (BA)
・コースの特徴:この学部課程では、カナダの経済移民プログラムという観点から特に地域開発において移民が果たす役割に焦点を当てています。
・リジャイナ大学のリンク:https://www.uregina.ca/
🍁University of New Brunswick
・学科・プログラム:Sociology (BA) または Political Science (BA)
・コースの特徴:この学部課程では、移民が社会に与える影響とそれに関連する政策を深く研究しており、特にカナダ大西洋州の小さなコミュニティにおける状況を重視しています。
・ニューブランズウィック大学のリンク:https://www.unb.ca/
移民について学べるカナダの大学院
こちらでは、移民の研究に優れているカナダの大学・大学院を一部ですがリストアップしてみました。専門的に学ぶのであれば、大学で学んだ後にこれらの大学院を検討してみてください。
コース・プログラムの概要は、移民に関して学ぶ範囲を要約したものです。詳細は、大学・大学院のホームページにて確認してください。学部・プログラム名・学べる内容などは、変更される場合があります。不明な点は、学部または教授にメールを送って質問してください。
※プログラム欄で記載されている(MA)は、Master of Arts(文科系や人文科学系の修士号)を意味します。
🍁University of Toronto
・プログラム:Munk School of Global Affairs and Public Policy
・コースの特徴:この学部では、移民・定住研究プログラムといった専門的な学びの場と研究機関を備えています。移民政策、社会への統合、多様性といったテーマを深く掘り下げたコースを提供しています。多文化都市トロントという立地も、現実の事例に基づいた研究や学習の機会を豊富に提供しています。
・トロント大学のリンク:https://www.utoronto.ca/
🍁Toronto Metropolitan University
・プログラム: Immigration and Settlement Studies (MA)
・コースの特徴:この大学のプログラムは、移民、定住、コミュニティ(ディアスポラ)の研究に特化した内容で、実践的な経験と学術的な研究を統合しています。応用研究に力を入れており、移民コミュニティとの連携が強いことで知られています。
・トロント・メトロポリタン大学のリンク:https://www.torontomu.ca/
🍁McGill University
・プログラム:Institute for the Study of International Development
・コースの特徴:多様な文化が共存する国際都市モントリオールにあるこの大学では、公共政策と国際開発の分野で質の高い学びを提供しています。この学部の教員は、移民問題や難民研究の専門家で構成されています。
・マギル大学のリンク:https://www.mcgill.ca/
🍁University of British Columbia
・プログラム:Department of Sociology または Public Policy and Global Affairs (PPGA)
・コースの特徴:この大学のプログラムでは、環太平洋地域における移民の流れ、関連する政策、社会への統合について深く研究しています。移民が多く集まる都市バンクーバーに位置しているため、実際に移民問題に触れながら学べる機会が多くあります。
・ブリティッシュ・コロンビア大学のリンク:https://www.ubc.ca/
🍁York University
・プログラム:Centre for Refugee Studies
・コースの特徴:この大学のプログラムでは、難民研究と強制移住研究において、高度な研究に取り組む機会を提供しています。移民、政策、社会正義が相互に影響し合う領域の研究において、指導的な役割を果たしています。
・ヨーク大学のリンク:https://www.yorku.ca/
🍁Carleton University
・プログラム:Migration and Diaspora Studies (MA)
・コースの特徴:カナダの首都オタワにあるこの大学のプログラムは、連邦政府機関との連携が強く、政策に特化した独自の視点や、貴重なインターンシップの機会を提供しています。
・カールトン大学のリンク:https://carleton.ca/
🍁Dalhousie University
・プログラム:Master of Public Administration
・コースの特徴:公共政策に力を入れているこの大学では、移民研究をより広い政治のあり方や人権という視点から学ぶことができます。
・ダルハウジー大学のリンク:https://www.dal.ca/
日本の移民問題や制度について学べる大学
カナダでは、日本について学べるJapanese Studies(日本学)というプログラムがあります。このプログラムでは、日本について様々なことが学べますが、その中には、日本の移民問題や政策も含まれます。
国内ではなく、外国で日本の移民制度や移民問題を研究することは、カナダやアメリカといった他国と比較をしながら広い視野でリサーチができるのではないでしょうか。下記では一部をご紹介します。
🍁University of British Columbia
・プログラム:Japanese Studies, Political Science, Asian Studies
・コースの特徴:この大学のプログラムでは、日本の人口問題、移民制度の改革、社会的な包摂といったテーマのコースを学ぶことができます。教員は、日本における外国人労働者、多文化主義、移民に関する議論などを研究しています。学生は日本研究センターを利用したり、日本の研究者と協力して研究に取り組む機会も与えられます。
・ブリティッシュ・コロンビア大学のリンク:https://www.ubc.ca/
🍁University of Toronto
・プログラム:East Asian Studies, Public Policy, Diaspora and Transnational Studies
・コースの特徴:この大学のプログラムでは、現代社会の日本、世界的な人の移動、人口構造の変動などを学ぶことができます。この学部では、日本の移民問題に焦点を当てた講演会が時折開かれます。学生は、様々な国の移民政策を比較しながら研究するための、幅広い分析的な思考力を身につける訓練を受けることができます。
・トロント大学のリンク:https://www.utoronto.ca/
🍁York University
・プログラム:Global Migration Studies, Asian Studies, International Development
・コースの特徴:この大学では、アジアにおける移民と日本の変遷する政策に関する講義と研究が行われています。アジア太平洋地域の移民政策に重点を置いた多文化的な研究環境が整っています。
・ヨーク大学のリンク:https://www.yorku.ca/
カナダの多民族文化を現地で学ぶことの意義
カナダで生活してみると、必ずしもカナダ人と外国人(移民)が仲良く暮らしているわけでない現実が分かるでしょう。移民に寛容と言われたカナダでも、近年では移民問題で意見が割れています。
カナダでは、日本人は圧倒的に少なく、ほぼ日本人という日本で生活してきた私たちにとって、少数民族的なマイノリティ扱いになってしまう厳しさがあります(留学生しかいない語学学校の環境は別の話です)。
外国人同士で揉めることが珍しくなく、私たちが親しみを感じるようなアジア人(中国人・韓国人・フィリピン人など)の中でも、日本人に偏見を持っている人も少なくなく、日本人の立場はさらに厳しいことがあります。
誤った歴史観からいわれのない批判を浴びたり、罵声を浴びせられたり、嫌味を言われることも多々あります。ただ、英語が苦手な日本人は、何を言われているか理解できないので、雑音程度にしか感じないこともあります。
以前、カナダから日本へ行く際、航空機内で隣の席にいた大学講師の方と長々お話したことがあります。その方は、カナダの多民族文化について絶賛していました。
英語はほとんど話せず、1週間ほどカナダに滞在して調べたらしいのですが、カナダ社会の表面しか見ていないと感じました。
私はいくつか問題点を指摘をさせていただきましたが、移民最高!という考えに傾いてしまっていて、カナダの抱える移民問題にはあまり興味を示していませんでした。
このような認識で、大学生にカナダの多民族文化は素晴らしい、日本でも移民をもっと受け入れようといった講義をされたらと思うと、末恐ろしい気がしました。
メディアで扱われるカナダの表面的な報道を見て、全然違うと思うよ!と思わず声が出てしまうカナダ留学経験者は多いと思います。移民推奨の経団連や政治家をはじめ、関連機関から資金を得ている研究者たちの利権がらみの移民推進レポートや講義も疑問に思うことがあります。
こういった状況を鑑みると、実際に一定期間留学して、英語をしっかり学んだうえで、カナダなど海外の大学で、多民族文化を政策・人権・教育・犯罪など多方面から学ぶ日本人が増えてほしいと思います。
日本とカナダは違うことを認識した移民制度を考える
日本の移民問題でカナダと異なる点は色々ありますので、カナダの政策が日本に適しているかは十分に判断する必要があります。
たとえば、カナダの移民政策のここは良い点だが、日本ではこれは適さないといった比較をしながら学んでほしいと思います。
日本建国の歴史は2600年以上も前にさかのぼり、とても長い歴史があります。一方、カナダは建国157年(2025年)です。日本と比べたら、とても歴史が短い国です。
日本人が単一民族として長年歩んできた歴史と文化は、簡単に外国人に理解することは難しく、移民で人口を増やして外国文化を受け入れてきたカナダとは考えが大きく異なります。
言語の問題もあります。日本では日本語が話されますが、他国では余り使われる言語ではなく、英語に比べればマイナーな言語です。カナダは英語が主に話されるため、世界の共通言語ともいわれる英語が話せる外国人にとっては移住しやすい国になります。
また、日本とカナダの移民政策で大きく異なる点の一つに、日本とアジアの国々との軋轢や戦争に関わる歴史問題があります。
多くの日本人はアジアの国々の人たちと仲良く暮らしたいと思っていますが、日本に来るアジア圏の人たちが必ずしも同じ考えとは限りません。日本をあまりよく思っていないけど、出稼ぎなど経済的な理由で日本に来ている外国の人たちもたくさんいます。
日本が好きで日本に住みたいと考えている外国の方たちがいる一方、先端技術を盗んだり、地理や経済的な侵略目的、自国と比べて豊かな日本人からモノや金を盗むことを目的としている人たちがどんどん日本に入ってきています。
さらに恐ろしいのは、日本を貶めるような理由で日本に来ている外国の人たちが増えているのに、無関心な日本人が多いことではないでしょうか。
近年、アメリカでは、先端技術を盗んだり、違法薬物を流入させる、組織的な強盗など犯罪行為が横行しているため、他国の留学生や移住者を排除する動きが活発になっています。
オーストラリアでは、一部他国による静かな浸食が政界や経済界に広がり、オーストラリア人の生活を脅かすようになっています。そして、その浸食を防ぐための政策や法整備を急いでいます。しかし、日本では他国の浸食が進んでいる中で、何の対策も打たれていません。
ヨーロッパ各国でも、これ以上の移民は受け入れないという政党が支持を集める傾向が強くなっています。カナダでも、今まで寛容だった移民に対して、反対の立場をとる人たちが増えてきました。
外国の人が大変だから日本で受け入れてあげよう、人口減少で働く人が少ないから外国人をどんどん入れようといった、安易な感情論や経済論だけでは歪んだ移民制度になってしまうでしょう。これからの日本を守るという意味でも、機会があれば、海外で移民問題や移民政策について学んでいただければと思います。
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