カナダの税関申告で気をつけること

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カナダに行く際にちょっと心配になるのが税関申告ではないでしょうか。

税関申告はカナダ入国時に必要なものです。通常、飛行機の中で税関申告書が配られて、それに記入します。そして、入国審査の際に税関申告書を提出します。

初めてこの税関申告書を見た時には、書き方に戸惑う方が結構いるのではないでしょうか。税関申告書(Declaration Card)はCBSAのホームページで確認できます。予習として、記載されている文章の中で分からない単語や意味を調べたりして、直前で困らないようにしておいた方がよいでしょう。

税関申告書には、自分の名前、生年月日、国籍、住所、フライトナンバー、滞在目的、持ち物(カナダに持込む商品や食品等)などに関する質問への回答を記載します。

カナダには持ち込んではいけないもの、持ち込みが許可されても制限があるものなどがあり、予め申告することが義務づけられています。それらを無視すると罰金が課せられるなどの処分がありますので注意してください。

税関については、カナダの法律の変更をはじめ、テロや感染症などによっても対応が異なることがあります。最新の情報はCanada Border Services AgencyCBSA )で確認してください。

税関に関する情報はとても多く複雑です。こちらでは例をいくつか上げていますので、参考程度に読んでいただければと思います。

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農業や酪農業に悪影響を及ぼすものは持ち込めない

カナダは自然が豊かで農業や酪農業も盛んなため、海外から入ってくる食物、種、動物などを厳しく取り締まっています。

税関申告書では、肉類、肉類を含む食品、乳製品、果物、野菜、種、ナッツ類、植物、動物、鳥、木、花、土、虫などを持ち込む際には申告することになっています。

一例として、果物、木、植物といった加工されていない自然のものには虫が混入している可能性があって、その虫がカナダの自然界に入ってしまうと特定の植物が全滅してしまうなど環境に大きな影響をおよぼす恐れがあります。

海外から持ち込まれた物によって、自然環境や生態系を崩してしまわないように規制しているので、その点は尊重しなければならないでしょう。

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加工食品でもダメなものがある

加工食品なら自然に悪影響はないだろうと勝手に判断してしまうかもしれませんが、決してそうではありません。

特に気をつけたいのは、肉を含む加工食品です。燻製やソーセージといった見た目に明らかな肉製品だけでなく、肉を含む食品類(インスタント食品含む)も該当します。これらの持ち込みは不可と考えていた方が無難です。

肉類の持ち込み禁止に関しては、BSE(狂牛病)や家畜の伝染病などがカナダで発生することを防ぐといった目的があるそうです。伝染病などの元になる物質は熱処理しても生存するものがあるため、加工食品でもダメということになるのではないかと思います。

単に税関をすり抜けてしまっただけなのに、「○○は大丈夫でした!」といったようなネット上の情報を元に、持ち込みの可否を安易に判断しない方がよいでしょう。

禁止されている食品を持ち込んでもすべてが税関で見つかるわけではありません。中には運良くすり抜けてしまう人もいるでしょう。しかし、税関で見つかれば没収されて、罰金を払う羽目になってしまいます。

無申告でインスタント食品を持ち込んで、税関で禁制品として見つかってしまい、罰金が800ドルとか取られたらどうでしょう。そこまでのリスクを負って、こっそり持ち込む価値はあるでしょうか?

カナダの空港には、麻薬を探す麻薬探知犬の他に、食べ物などを探知する 検疫探知犬も巡回しています。

探知犬は手荷物受取所などで巡回していて、持ち込みのでき無い薬物や肉類など食べ物が入っているスーツケースを見つけます。こっそり持ち込もうとしても、こういったところでバレてしまうことがあります。

何が入っているかわからない食品はとりあえず申告する

税関申告書に記入する際、食べ物に関する項目でそれに該当するのかよくわからない時は、「YES」(持っています)として記入しておいた方が無難という話をカナダの税関職員が言っていました。

申告する物は無いと記入したのに、該当する食品がスーツケースから出てくれば「嘘」をついたことになります。

一つの嘘が暴かれるということは、他にも嘘があるのではないか?と疑われてしまいます。そして、食品だけではなく、麻薬など犯罪に関わるものを隠しているかもしれない、さらに入国目的も不法就労や違法滞在の可能性があるかもしれないといったように疑われて、厳しい対応をされることがあります。

お土産や食品など気になるものがあれば、とりあえず税関申告書には「YES」と申告しておけば、税関で調べられても、問題がなければそれで終わりです。

「残念ですが、これは持ち込めません」といわれて没収されてしまう食品もあるでしょうが、正直に申告していれば、通常、罰則はないといわれています。

薬、健康食品、ビタミン剤、化粧品などは、個人では何が含まれているのかわからないことがあります。中にはカナダに持ち込めない成分が含まれているかもしれません。

薬に関しては、予めかかりつけの医師から処方箋(英訳必要)を出してもらった方がよいです。

市販の薬に関しては、昨今、英語で内容物が記載されてあるものが多くなっていますので、そういった物を選んでおくと安心かもしれません。

留学期間が長いからといって、大量の薬類を持ち込むと販売目的として怪しまれるので、日本から定期的に送って貰う方法を考えておいた方がよいと思います。

申告していない状態でスーツケースなどから禁制品が見つかった時は、数万円~の罰金になることがあります。商品は没収されて、罰金だけ払うなんて割に合わないでしょう。

カナダにいる友人などから日本食を持ってきてくれるように頼まれることがあるかもしれませんが、持ち込みが許可されるのか予め調べておいてください。日本で100~200円程度のカップ麺をこっそりカナダに持ち込もうとして、罰金が数万円ではバカバカしいです。

カナダの税関では、禁制品が見つかってから謝罪してもすでに遅く、泣き言は通用しないと思っていた方がよいです。

更に、税関で嘘をついた(禁制品の持ち込みを隠していた)と判断されたときはそれが記録され、次回また嘘の申告をするようなことがあれば罰金が増額されていくそうです。

10,000ドル以上持っていたら申告する

カナダに持ち込むお金が、10,000ドル以下であれば申告する必要はありませんが、ここで少し誤解をされているケースがあります。

カナダドル換算で、10,000ドル以下であることが基準になるため、カナダドルだけではなく、日本円や米ドルなど他通貨、小切手なども持っていればそれも含まれます。

マネーロンダリングといった犯罪を抑止する目的があるので、カナダドルに限らず、入国の際に持っている所持金の合計が10,000ドルを超える際には申告することを求められます。

一人10,000ドル未満なら申告しなくて良いという計算で、家族3人でカナダに行って、一人がまとめて30,000ドル近いお金を持っていたとしたらそれは申告しなければなりません。

3人で割れば一人分は10,000ドル以下になるという計算ではなく、税関では実質的に誰がいくら持っているかという視点で調べるそうです。

現金に関しては、10,000ドル以上を持ち込んではいけないということではなく、税関で申告する必要があるだけです。

大金を持って行く時には、そのお金が何に使われるのか、違法性はないのかといったことも聞かれる可能性があります。たぶん、それが嫌で申告しない人が多いのかもしれませんが、見つかれば罰金になりますので余計面倒です。

申告しないで現金を持ち込もうとして、犯罪に関わっていると疑われた時は、没収されることがあります(取り返すには、後日、税関に正当性を主張する必要があります)。

10,000ドル以上持っていると税関で没収されるという話を聞くことがありますが、犯罪に絡んだお金の没収のことが、誤って伝わっているのかもしれません。正当な理由があれば没収されることはありません。

初めてカナダ行く留学生は、学費や生活費などの支払いで一時的に大きな金額が必要になります。

日本から出国するときには、まだ、カナダに銀行口座が無いことから、とりあえず現金でまとめて持って行こうという学生がいて、税関で止められることがあります。

現金で持っていくことは盗難や紛失の原因にもなりますので、カナダにお金を持っていく方法を参考にプリペードカードやクレジットカードを利用されることをおすすめします。

ちなみに、カナダでの滞在期間によっては、十分な滞在費があるのか、また、それを証明できるものがあるか、税関で聞かれることがあります。滞在費の証明ができないときは、カナダに入ってから稼ぐつもりだろうというように不法就労の可能性アリと判断されて入国拒否もありえます。

複数のクレジットカードやプリペードカードを持っていることで滞在費がカバーできると判断されることもあるようですが、長期留学のような場合は、英文の銀行残高証明書を持っていると役立つ時があると思います。

税関では留学生が狙われている?

カナダの学校に通っていて日本に一時帰国する場合、留学生はカナダ居住者という扱いになるので、カナダ以外で買った物は「輸入する」ことになり、関税がかかることがあります。自分で買ったものだけではなく、身内や友人からのギフトも同様の扱いです。

税関では、留学生が自国に帰って、食品、衣類、アクセサリー、化粧品、雑貨、お土産などたくさん買って帰ってくることを知っています。

免税枠は、カナダを出国して24時間以上では200ドル、48時間以上では800ドルまでとなります(金額は変更になることがありますので都度確認してください)。

免税枠以上の物を持ち込むときには関税がかかります。ただし、タバコやアルコール類は金額以外に規定量があります。詳細は、カナダ入国時に記入するDeclaration Card(税関申告書)に注意事項が記載されていますのでそちらを参照してください。

時々、スーツケースやバック、紙袋にたくさんの商品やお土産品を入れて、何も申告しないで税関を通過しようとする人がいます。本人は全然気がついてないみたいで、税関スタッフに呼び止められ、びっくりしながら別室に連れられて行くことがあります。

なお、申告をしないで見つかった商品(免税枠を超えるもの)に対しては、関税プラス罰金を払うことになります。罰金については、担当官の裁量による部分があって、運が良ければ警告で済ましてくれることもありますが、原則、決まった額を支払うことになります。

商品の価格は、今はネットで調べれば簡単に値段が分かってしまいます。免税枠を使おうとして、嘘の申告をしてバレた時にはこれもまた罰金になる可能性があります。

人から預かった/贈られた品物は中身を必ず確認する

昨今、カナダから麻薬など違法薬物が日本に持ち込まれるケースが増えていて、日本人女性がカナダ人男性に利用されて運び屋をしている状況をカナダ税関は把握しているそうです。

悲しいことに、こういった運び屋をしている日本人女性たちは、自分が運び屋だということを認識していないことが多いらしく、カナダ人のボーイフレンドに頼まれたお土産品などを日本にいる別の友だちに渡すといった作業をしているそうです。

カナダ税関では水際で犯罪を防ぐため、カナダから出国する前に運び屋と思われる人たちを捕まえようと警戒しています。

旅行者の原則ですが、人から預かった荷物やもらった品は、中身をしっかり確認しましょう。

友人または恋人だから信用して荷物預かるというのは、実は危険な行為かもしれません。缶や密封の袋に入っている品は開封に戸惑うかもしれませんが、そこが犯罪者の狙いでもあります。

出国前に友人などから贈り物をもらうことがあるかもしれませんが、彼らは日本またはカナダに持ち込んではいけない品を知らない可能性があります。税関で見つかってからでは遅いので、その前に確認しておきましょう。

武器の持ち込みは禁止

持ち込もうと考える人は少ないかと思いますが、銃、飛び出しナイフ、催涙スプレー、催涙ガス、スタンガン、ナックルダスターといった武器の持ち込みは禁止です。

海外は危険だからといって護身用の武器を持ち込もうとしても、カナダ国内では携帯や使用が禁止されている物が多いので、日本では大丈夫だからと安易に判断して持ち込まないようにしてください。

必要であれば、カナダのホームセンターなどでセキュリティ関連商品や護身グッツが売られているコーナーがあったりしますので、カナダで許可されている商品を現地調達するのがよいと思います。

税関を超えれば素晴らしい景色が待っている

カナダの税関で気をつけることを幾つか例を上げてご案内しましたが、色々なケースがありますので、ここに書いていないから大丈夫ということではありません。あくまでも一部の参考事例として掲載していますことをご留意ください。

カナダの入国審査や税関は、日本のように丁寧な応対でないことが多いと思います。私もカナダの入国だけはいつもピリピリしたムードがあって嫌いです。

前回カナダに行った時は、入国審査の際、前にいた中国の方がものすごい勢いで怒鳴られていました。女性の担当者さんでしたが、単に怒っているというより発狂に近かったです。次は私の番でその時の気まずさといったらありません(笑)

機嫌の悪い担当者に当たるとすごく嫌な思いをしますので、ため息をつきたい気分でしたが、私の時には冷静に対応してくれて簡単な質問だけで入国スタンプを押してくれました。

入国時は厳しい対応をされることがありますが、国を守るという使命でやっている仕事だと理解するようにしています。カナダには日本とは違ったルールがありますので、税関申告も含めてそれに従うようにしたいものだと思います。

税関さえ過ぎてしまえば、素晴らしい景色が待っている国です。留学や観光でカナダには期待できることが数多くありますので、入国の最初の一歩でつまづかないように準備してください。

※税関での申告や規則に関して、品目・金額・量などは執筆時のものであり、変更になる場合があります。また、分かりやすいように説明を簡素化したり、個人的な見解も含めてご案内しています。予めご承知おきください。

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