カナダに荷物を送る方法としては、郵便局や国際宅配便があります。
国際宅配便と呼ばれるヤマト運輸、DHL、FedExは送達は早いですが送料が高いです。そこで、一般的な発送手段としては、郵便局を使う方法一番お手頃だと思います。
今回は、カナダに友人や家族がいて、日本から荷物を送るケースを想定してご案内します。
日本の郵便局から送る場合、通常、カナダではCanada Post(カナダの郵便局)が配達を行います。
参照元:カナダ・ポスト
郵便局からカナダに荷物を送る方法
郵便局から荷物を送る方法としては、大きく分けて、EMS、航空便、SAL便、船便があります。
以下、それぞれの郵送方法を簡単にご紹介します。
EMS(国際スピード郵便):国際郵便の中で一番早い配送です。バンクーバーなら4~5日程度で配達可能。損害賠償&郵便追跡サービスが付いています。
航空便:定形外/小形包装物/国際小包の三種類があります。2kg以下であれば小形包装物が安くておすすめです(別料金で書留扱いにできます)。国際小包は30kgまで送れます。配達地域や時期により1~2週間かかると思います。
エコノミー航空(SAL)便:小形包装物/国際小包の二種類があります。2kg以下であれば小形包装物を使った方が安いです(別料金で書留扱いにできます)。国際小包は30kgまで送れます。航空便と船便の中間にあたるサービスです。配達には2~4週間かかるといわれています。日本からは航空機の空きスペースを利用して送り、カナダ国内では船便扱いの遅い配達になります。
船便:小形包装物/国際小包の二種類があります。2kg以下であれば小形包装物を使った方が安いです。送料が他に比べて安いので、重い商品を送る際によく使われると思います。到着まで2ヶ月前後かかるといわれているので、遅くても構わないときに利用を検討してください。日数がかかるので紛失のため保険付きにした方がよいかもしれません。
カナダの税関で時間がかかることがありますし、冬は雪が多い国なので天候にも左右されます。到着日数は必ずしも一定ではありません。クリスマス時期は大幅に遅れる可能性があります。
料金については、郵便局ホームページで、重さや送り先国等を入力すると自動的に計算してくれますので、事前に確認することができます。
頻繁にカナダに送るのなら、国際eパケットが便利です。事前登録をしてラベルを自宅のプリンターで印刷することで、小形包装物(国際書留付き/2kgまで)を通常より安く送ることができます。
カナダ・ポスト(カナダの郵便局)について
カナダと日本では郵便事情が異なり、日本のように正確で細かいサービスを期待できないと思っていた方がよいでしょう。
一例として、カナダでは郵便局がストライキを行うことが時々あり、その間、郵便物が配達されないことがあります。
今の日本で郵便局員がストライキをして荷物を配達しないというのは考えられませんから、こういったことからも次元がちょっと違うと思っていた方がよいかもしれません。
カナダは国土が非常に広く、国内配送でも1~2週間かかることは珍しくありません。
日本のような小さい島国の中で複雑な流通網が整っていて、特別な料金を払っていない郵便物でも翌日~翌々日に届くのが当たり前という状況とはかなり異なります。
急ぎの場合は、EMSが一番早いですが、料金も高くなります。何を送るのか、どれほど早く届けたいのかにもよりますが、航空便やSAL便などをうまく使い分けて送ってください。
カナダに荷物を送ってみた
参考に、カナダに送った時の配送状況をご案内します。どんな流れで郵便が配達されているのか、実際のケースを追った方がより分かりやすいと思います。
下記は、日本からカナダに荷物を送った際の郵便配達状況を表示したものです。
こちらの荷物は、国際書留郵便(航空便)で送っています。EMSや書留にすると配達番号が付帯するので、こういった配達状況を調べることができます。
郵便物の流れをもう少し分かりやすく書き足します。
12月7日 最寄りの郵便局に荷物を出す
12月8日 地方の郵便局から東京国際郵便局に到着
12月8日 東京国際郵便局からカナダに向けて発送
12月8日 カナダ・バンクーバーの国際交換局に到着
12月8日 バンクーバーの郵便局からキャッスルガーに発送
12月14日 キャッスルガーの郵便局に到着
12月22日 配達完了
日本の郵便局で荷物を出した次の日には、カナダのバンクーバーについていました。
最終到着地のキャッスルガーという街は、バンクーバーから約630kmの地点にあります。日本では、東京~岡山県くらいの距離でしょう。
ところが、この距離間の配送日数は約6日もかかっています。郵便局にはもっと早く届いていて、入力作業だけが遅れていたのかもしれませんが、日本では考えられない遅さです。クリスマス前の混雑を加味しても遅いと思わずにいられません。
いつものことなのですが、カナダに着いてから相手側のお宅になかなか配達されませんでした。
ウェブサイト上の配達状況は、配達先の郵便局に12月14日に到着した後、「保管」という状態になったまま、ずっと更新されていませんでした。クリスマス前には届いて欲しかったので、「早く配達して!」と思っていました。
できればサプライズで届けたかったのですが、なかなか配達されない状況に私も痺れを切らして、カナダの友人にメールを送ったところ、ちょうど配達されたところでした。
この記事を書くために、再度、配達状況を確認してみましたが、情報は更新されておらず、「保管」のままでした。ずっと前に配達されているのにも関わらずです。
カナダの郵便局が更新を怠っているのか(その可能性大?)、日本の郵便局の問題なのかは分かりませんが、未だに郵便局で保管されていることになっています。
配達されないで返送されてくることがある
今回はしっかり配達されていましたが、以前、カルガリーの友人に荷物を送った時には、この「保管」状態のままで、その後、保管期限が過ぎて日本に返送されてきました。
その時はEMSで荷物を送っており、確実に配達されると思っていたので配達状況の確認を怠っていました。
荷物が戻ってきてから言っても遅いのですが、友人に確認したところ、宅配会社(当時は民間の宅配業者がEMSを配達していた)から配達は来ていないようだし、不在通知も無かったと言っていました。
何が起こったのかは推測するしかありませんが、配達状況はしっかり確認して、相手側にも配達番号をお知らせしておいた方がよかったと反省しました。
受取側に配達番号をお知らせする
日本の郵便局では英語版サイトがあり、そちらで配達番号を検索すれば英語で配達状況が表示されます。海外の友人へはこれで配達状況を確認してもらうことができます。
カナダ・ポストのホームページでは、海外から送られた荷物の検索ができないため、日本の郵便局で配達状況を調べる必要があります。
個人的にカナダの郵便をそれほど信頼していないので、配達状況が分かるEMS、または、航空便を書留扱いにして送るようにしています。追跡サービスは、EMSでは送料に含まれます。書留では別途410円の手数料がかかりますが、紛失や遅配の心配をして待つよりマシだと思っています。
カナダに送れないものがある
カナダに送れない禁制品が様々ありますので、郵便局のサイトなどで事前に確認してください。
郵便局の窓口は税関のプロではありませんので、一旦、荷物を受付けたものの、後から禁制品が含まれているので送れませんと言って返されてしまうことがあります。
頻繁に送るのは面倒だからと思って、特定の商品を大量に送ったりすると個人使用とはみなされず(販売目的と思われるため)、輸出入書類の提出を求められることがあります。また、受取る側には、商売で輸入していると思われて関税がかかることがあります。
税関報告書の書き方について
カナダに荷物を送るときは、税関報告書が必要です(荷物を出すときに郵便局でもらえます)。この税関報告書には、内容品名、個数、金額などを記入します。
通常、英語で記入します。本を送るのであれば、内容品:BOOKS、個数:3、重量:500g、価格:$20というように書きます。
贈り物であれば、Giftの欄にチェックマークを入れます。個人使用であることを強調したいときは、空きスペースにNon-commercial useと記入することもあります。
価格の部分は、私はドルで記載するようにしています。しっかりドルマークを書いて、1000円位のものであれば「$10」と書いています(価格換算はその時の為替レートによる)。
金額を円で記入すると、カナダ側の担当者がドルと勘違してしまった際、1000円の物が1000ドルになってしまう可能性があるかもしれません。
「¥」マークをしっかり記載してあればよいかもしれませんが、個人的には不安なので、カナダ側で間違えないと思われるドル表示にしています。
カナダでは、内容品に見合わない高額な関税が請求されるケースが時々あって問題になるのですが、こういった円とドルの取り違えがあるのではないかと思うことがあります。
高額なものを送ると受取側が困るかもしれません
海外では関税がかかるので、受取側の了承なしに高価な贈り物を送らない方がよいと思います。
以前、私の親類がカナダは寒いだろうからと高価なコートを送ってくれたことがありましたが、この商品にかかる関税が高く、配達時に支払えませんでした。一旦、郵便局で保管してもらいましたが、受取拒否するのは申し訳なく、どうしたものかと困ったことがあります。
結局は関税を支払いました。送ってくれる人の気持ちは嬉しいのですが、大学に通うだけで経済的に精一杯の学生にとっては大きな出費になりました。しかも、カナダのど田舎で着るには高価で目立ちすぎて、ほとんど着ることはありませんでした。
送る側としては、安いものを送っているのではないという見栄があったり、紛失や破損の損害賠償を考えて、実際の価格より高めに税関報告書に書く人がいます。
しかし、この申告した金額を目安にして関税が考慮されるので、実際よりも高い金額で申告されると受取側には迷惑なことになる可能性があります。逆に関税を安くしようと虚偽の金額を書くと、バレた時に罰金などペナルティーが課されることがあります。
梱包はしっかりしましょう
以前、パソコンをカナダに船便で送ってもらったことがあります。元々日本で使っていたもので、カナダで新しく買うよりは送料がかかってもその方が安いということで親に送ってもらいました。
ところが、到着したパソコンは見事に破壊されていました。配達が悪かったわけではなく、梱包が悪かったのです。
高価なパソコンを送るのに、パソコンを風呂敷で包んでそのまま大きな箱に入れていたのです。何の緩衝材も入っておらず、箱の中でパソコンは上下左右に揺られてモニターは破損、細かいパーツも飛び散っていました。
保険をつけていなかったので、ガラクタをカナダに送っただけの結末に、本当に悲しくなりました。なんてお馬鹿な親なんだろうと・・・。
専門的な梱包ではなくても、パソコンが傷つかないようにプチプチ(梱包材)を巻いて、箱の中で動かないように衣類などでもよいので詰め込んでいてくれたら破損は免れたかもしれません。また、保険(数百円程度)を付けていたなら、いくらか損害賠償が出た可能性があります。
親の言い分としては、日本国内なら壊れなかっただろうし、保険は元々付いていると思ったというのです。
確かに、日本国内では配送が丁寧なので壊れなかったかもしれません。保険に関しても、ゆうパックや宅急便では、元々保険が付いています。
このように海外へ荷物を送ったことがなくて、日本国内の水準で考えてしまうと大なり小なり失敗が起きてしまうのかもしれません。
郵便や宅配に関して、日本は非常に恵まれた環境にあります。
日本では郵便や宅配が翌日に届くのが当たり前の世の中で、荷物の扱いも大手宅配会社であれば丁寧です。ところが、カナダではそれと同じようにはいきません。
カナダに送る際には、日本とは違うことを強く意識して送った方が良いと思います。
私もそうでしたが、カナダで受取る側としては、日本からの荷物をとっても楽しみにしています。知り得ることは日本でしっかり調べて、受取側に迷惑をかけず、喜んでもらえるように荷物を送りたいものだと思います。