Languages Canada加盟校の統計(2013年度)によると、日本人がカナダの語学学校の利用者数でトップでした。カナダには、大学やカレッジに付属しない私立の語学学校が数多くあり、日本人も含め多くの留学生がそれらの学校に通っています。
カナダの語学学校の利用者数トップ5は下記のとおりです(2013年度)。
No.1 日本(17,990人)
No.2 ブラジル(17,656人)
No.3 中国(14,426人)
No.4 韓国(14,100人)
No.5 サウジアラビア(11,162人)
滞在期間まで明記されていなかったので、サマーコースなどちょっとした短期留学なども含まれている可能性があります。残念ながら、正規留学(大学の学部留学)となると他のアジア国の割合が大きいはずです。
さて、この統計によると語学学校の「授業料」だけの収益が、494,600,000ドルになります。1カナダドルを95円とすると約470億円です。
留学生の生活費等を含めると全体では、1,395,000,000ドルという収益になっているそうです(1325億円弱/1カナダドル=95円)。
これは、Languages Canada加盟校という限られた範囲の数字で、すべての語学留学生となればもっと大きな額になるでしょう。語学学校に通う留学生たちが、カナダに落としているお金が大きいことがわかります。
こういった統計を見ると、なぜカナダで語学学校や語学コースが乱立してきたのか、そして、それに群がる留学エージェントの様相が分かります。
それまで語学コースに興味の無かった大学でも、これはやるべきだということで重い腰を上げて語学プログラムを再編したり、新たに新設するところも出るほどです。
正規学部では学生が一部減る傾向にありますが、語学コースへ入学してくる留学生は増える傾向にあるそうです。
大学やコミュニティカレッジとしては、経営面から留学生を大切にしなければならない状況になってきているのだろうと思います。
私が留学したころは、留学生を歓迎しています!という建前とは違って、カナダでは余り留学生を歓迎していないと感じました。
これはアメリカに行ってから更に強く思いましたが、要はカナダが制度的に遅れていたということにもなると思います。
ちなみに日本での留学生受け入れは、アメリカやカナダより遥かに遅れていると思います。
一昔前、私が通っていた地方のコミュニティカレッジの語学コースでは、固定の教室が用意できなくて、科学の実験室、図書館、カフェテリアなどで授業をしていたことがありました。
正規学部の教授たちのオフィスは個室が当たり前でしたが、語学コースの先生たちは狭い部屋に3~4人が詰めているような状態でした。
ところが、留学生が増えるにしたがって、稼ぎ頭の語学コースの地位が上がっている教育機関もあります。
大分前になりますが、久しぶりに以前通っていたカレッジを訪れたところ、語学コース専用の教室や視聴覚室が建設されて、逆に正規学部のカナダ人学生がそれらの整った設備を貸してもらうという状態でした。
語学コースの先生たちも、以前は廊下の端を歩くような感じだったのが、今では稼ぎ頭ということもあって、堂々と校舎内を歩いている様子に時代の流れの変化を感じたものです。
カナダ全体で見ても、留学生がカナダ経済に与えるインパクトが見過ごすことが出来ないくらい大きくなっています。
留学生が増えた結果、様々な経済活動が潤うことにもなり、教育、経済、観光など異なる行政レベルで、留学生受入れを支援する流れになってきているように感じます。
大臣までが留学生をもっとカナダに呼んで、カナダ経済を盛り上げようなんていっているくらいですから、その力の入れようを感じます。
一度は訪れてみたいカナダの大自然
では、なぜ日本人にとってカナダ留学が人気なのでしょうか?
最近急に人気が出てきたわけではありませんが、徐々に人気が上がってきた、または、評価が安定してきたことは確かでしょう。
カナダ留学(語学留学)の人気の理由は色々ありますが、基本的なところでは、下記のようなことがあげれます。
・国際社会の中でも聞き取りやすい英語が学べること
・6ヶ月以内の語学研修は学生ビザ(就学許可証)が必要なく旅行感覚で行けること
・短期留学のコースが豊富なこと(語学以外の体験型ステイや観光も含めている)
・テロや凶悪な犯罪が少ないこと
・温厚なカナダ人が多いこと
・移民が多い国で留学生が入りやすい社会環境であること
・広大な国土と自然が美しいこと
・カナダ留学をあっせんする留学エージェントが増えたこと
オーストラリア留学やニュージーランド留学でも多少似ているところがありますが(自然が美しい、移民の国である等)、特にカナダでは6ヶ月以内の短期留学がしやすい環境にあると思います。
移民の国ですので、英語に関しては人や地域によってアクセントが異なりますが、カナダでは日本人が聞き取りやすいアメリカ寄りの英語が学べる環境にあると思います。
日本はアメリカのニュースやテレビ番組、映画や音楽といったエンターテイメントに影響されていて、やはりアメリカ系の英語には親しみを感じる面があるでしょう。
アメリカの陰に隠れてマイナーなイメージがあるかもしれませんが、英語を学ぶという意味では、選択肢の一つに入れておきたい留学先であると思います。
カナダ語学留学に興味がわいてきたら、まずは、カナダの語学学校協会が公認する語学プログラムから学校を調べてみてはいかがでしょうか。