カナダ留学を検討し始めたとき、ネットでいろいろな情報を探すと思いますが、かなりの確率で留学エージェントのサイトにたどり着いたり、または誘導されると思います。
Youtube/Tik tok/ブログなどで人気がありフォロワーのたくさんいるインフルエンサーに依頼するなどして、学生さんや将来のお客さんに幅広くリーチしている留学エージェントもあります。
近年、カナダの留学情勢を見ると、留学エージェントが増えているなと感じます。
どこの会社でも熱心に集客していますが、競合が激しいので、うちの方が他より安いというアピール合戦が一つのポイントになっているようです。
そして、学生さんたちへのアピールポイントとして、留学手数料が無料であることを強調しているところが結構あります。
留学手数料無料というのは本当でしょうか?そして、それはよいことなのでしょうか?
カナダ留学の留学エージェント利用について、メリット・デメリットを少し辛口で解説してみたいと思います。
- 留学エージェントを使って語学留学するメリット
- 留学手数料が無料は本当?
- 留学エージェントは語学学校から報酬をもらって利益を上げている
- 見えないコストがある留学エージェント経由の留学
- 語学学校の資金繰り悪化を招いている現況
- 3つの語学学校を比べるケース・スタディ
- 海外留学保険で稼いでいる留学エージェント
- 為替差益で稼ぐ留学エージェント
- カナダの語学学校ホームページに料金が提示されていない疑念
- 留学エージェントは誰でも始められて稼ぎやすい?
- 留学エージェントを使ったカナダ留学で満足している人たち
- 留学エージェントは、よい語学学校を紹介してくれる?
- 留学エージェントの倒産リスク
- 留学エージェントのチェックポイント
- 辞書片手でも入学申込みができる語学留学
留学エージェントを使って語学留学するメリット
カナダ留学において、留学エージェントを使うメリットはいくつかありますが、端的に言えば、こういった会社に依頼すれば語学留学が簡単にできるということです。
多くの方は英語が苦手だと思っていて、自分でカナダの語学学校に申込むことに不安を感じています。そこで、すべて日本語で留学手配をしてくれる留学エージェントが便利な存在になります。
また、初めて留学する際には、留学先や語学学校選びも悩みのタネになります。
カナダの語学学校は、どこも似たりよったりに見えたり、情報が少く特徴が分かりづらいことがあります。そこで、留学エージェントに頼めば、語学学校選びのお手伝いもしてくれます。
カナダに現地オフィスのある留学エージェントでは、現地情報が得やすいので、詳しい情報を聞くことができることがあります。
留学エージェントを利用して語学留学することは、すごく簡単に言えば、海外旅行をしたい人が、JTBやHISで海外旅行パック(例:ホノルル7日間エコノミーパッケージ)を選ぶことに似ています。
カナダ留学したい人は、留学エージェントで語学留学パック(例:バンクーバー○○語学学校・4週間コース・ホームステイ・朝夕食付)を注文するという形です。
語学留学パックと一言で言っても、正確にはもっと詳しい情報が記載されていて、出発時期を含めた期間(1週間から1年間)、宿泊先(短期滞在型ホテルやホームステイ)、授業の内容(初心者向け、会話重視、ビジネス英語、アクティビティが多いなど)と様々な選択があります。
きれいなパンフレットが用意されていることもあり、海外旅行パックと同じ感覚で選びやすいこともあります。
予めパッケージ化されたものを選ぶのか、フリープランで留学カウンセラーなどと相談しながら、自分の希望する留学プランを組み立てていくことも可能です。
語学留学に関しては、留学エージェントに依頼すれば、大概必要な手配はしてくれるでしょう。
ちなみに、カナダの大学留学に関しては、取扱っているところは少ないと思います。カナダの大学は日本から直接入学することが難しかったり、アメリカやオーストラリアの大学と比べると人気がありません。
また、カナダ留学の留学エージェントの多くは、ワーキングホリデー・語学留学・短期留学を経験した人たちで運営されており、手続きが簡単な語学留学だけを扱うのがメインです。大学のように複雑な申込みには対応できず、需要も少ないのでやっていないと思います。
留学手数料が無料は本当?
カナダ留学を扱う留学エージェントの多くが、「留学手数料が無料」を売り文句にして集客しています。
留学エージェントの利用を検討する際に、まず一番最初に考えてほしいことは、留学手配を代行してくれて、その費用が本当に無料なのかということです。
もし、自分がその留学エージェントで働いていたとして、給料無しで仕事やりますか?ボランティアで留学手配します?と自問してください。
どこかでお金を稼がないと、そこで働いている人たちは生活できないです。
実際に語学学校へ申込み代行をした場合、内容にもよりますが、一人当たり3~5万円は手数料として必要になると思います。
留学相談からプランの組み立て、実際の手続きというように、対応日数が増えれば10万円を超えてくるでしょう。
相談から学校への入学手続きや宿泊先の手配など、やる気さえあれば学生さんが自分一人できるものですが、他人任せにしたら働く人の人件費はそこそこかかります。
無料相談であっても、本来は1時間3000円~くらいは必要です。料金は留学カウンセラーの能力や専門性にもよりますが、何時間も相談して無料ではかわいそうでしょう。
留学エージェントが、ボランティアで留学相談を受けたり、無料で留学手配してくれる素敵な人たちの集まりと思っている人がいたら、頭がお花畑と言われてしまうかもしれません。
なぜ留学エージェントがたくさんのスタッフを雇って、手数料無料で留学手配をやっているのか?不思議に思ったら引き続き下を読んでください。
留学エージェントは語学学校から報酬をもらって利益を上げている
留学手数料無料または留学手配無料というのは、表向きは嘘ではないですが、全く無償でやっているわけではありません。
そのからくりは、語学学校側が留学エージェントに支払う報酬や報奨金にあります。
簡単に言えば、学生さんを一人紹介してくれたら、語学学校が留学エージェントにお金を支払うというビジネスです。
お客さんを紹介したり、利用者を獲得するお手伝いで利益を上げているビジネスは、他にも色々あります。
たとえば、アパートの賃貸契約、保険の契約、携帯電話の契約などもそのたぐいです。
ブログやYoutubeで、商品やサービスを紹介することもその一種です。健康食品や化粧品を紹介して、そのサイトやYoutuberさん経由で購入すると、購入代金の一部(5%~30%と様々)が、販売会社からサイトオーナーやYoutuberさんに支払われるというものです。
カナダの語学学校の多くは、一定の報酬を支払う形で留学エージェントに学生獲得を依頼しています。
そして、こういった語学学校は、留学エージェントに支払う報酬分を授業料などに上乗せしてます。
ある語学学校の関係者と話をしたとき、生徒さんが学校に支払う合計(授業料や申込料等)の10~30%が、留学エージェントへの支払報酬に当てられているとのことでした。
獲得する学生数が増えると報酬の割合が上がるようになっている場合、留学エージェントでは「この学校がおすすめです!」と言って、特定の語学学校に生徒さんをたくさん誘導していきます。
さらに生徒さんを一定数以上を送り込んでくれると、語学学校から特別ボーナスを出してくれるという契約もあります。
こういった報酬形態なので、留学エージェントは学生さんを獲得するために頑張ります。
そして、学生さんを次々と語学学校に送り込むため、何人もスタッフを抱えているわけです。
見えないコストがある留学エージェント経由の留学
短期留学した方のブログなどでよく見るコメントで、「○○留学エージェントに無料で留学手配してもらいました。色々ご面倒をおかけしたのに親身に対応してもらって、すごく充実したカナダ留学になりました。留学するか迷っているなら、○○留学エージェントに相談してみてください!」といったものがあります。
こういった美辞麗句の体験談は、アフィリエイトに関わっている人の紹介文であることがあります。こういったブログ経由で留学エージェントと契約した場合、ブロガーやサイト運営者さんに留学エージェントから報酬が支払われます。
報酬は契約1件につき3000~5000円であったり、高額な留学プランでは数万円というケースもあります。また、学生さんが留学エージェントに支払う金額の3%であったりと様々です。
語学学校は留学エージェントに報酬を支払って、留学エージェントはブロガーやYoutuberさんなどに報酬を支払っているケースがあります。
学生さん(お客さん)には、留学手数料は無料です!とアピールしながら、見えないところで、どれだけお金がかかっているのと思いませんか?
当然ですが、これらのコストは価格に反映されますので、それを負担するのは料金を払う学生さんたちになります。
語学学校の資金繰り悪化を招いている現況
留学エージェントへ支払う報酬が重しになって、カナダの語学学校の資金繰りが厳しくなったり、語学学校の先生たちに十分な給与が支払えないところもあります。
元々人気がある語学学校であれば問題ないですが、そうでない学校はなんとか集客をしないと運営できません。
そのため、語学学校の経営者は、留学エージェントに他よりも魅力的なオファーを出そうと努力します。その一つが報酬アップです。しかし、そんなことをしていたら、語学学校の先生たちに支払うお給料まで圧迫されてしまいます。
コミカレや大学の語学コースの先生たちが安定した給与をもらっている状況を考えると、私立の語学学校の先生たちは、とても恵まれた環境とはいえず、不安定な中で教えていることもあります。
コミカレや大学は、名前が通っているので留学エージェントに頼らなくても海外から学生さんたちが自ら申し込んできます。ところが、知名度の低い語学学校は、外部に頼らないと集客が難しいところが多々あります。
語学学校が自ら選択していることではありますが、留学エージェントに支払うお金が大きくなると経営を圧迫してしまう一面があります。
3つの語学学校を比べるケース・スタディ
語学学校が3つあったとして、留学費用と留学エージェントへの報酬あり・なしで比較をしてみます。
ひとつは留学エージェントに関わっていない語学学校A、そして、留学エージェントの集客に頼っている語学学校Bと語学学校Cがあったとします。
この3つの語学学校を比較するのに、短期留学として実質的に100万円必要なコースがあるとします。
学校Bと学校Cは、学生さんの獲得を留学エージェントに任せているので、その分のコストがかかってきます。ここでは、学生さん一人当たり、20万円が報酬として必要であると仮定します。
まず、語学学校Aに通うのには、学生さんは100万円が必要です。
語学学校Aは人気のある学校なので、留学エージェントに頼る必要がなく、学生さんは直接申し込んできます。その結果、100万円はすべて学校に入ります。
語学学校Bでは、留学エージェントに支払う報酬20万円を加算していて、学生さんが支払うのは120万円になります。
当然ですが、留学エージェントに支払う報酬は公開されていませんので、学生さんは授業料や宿泊費等で120万円が必要という案内だけを受けています。
語学学校Cは、留学エージェントに支払う報酬を授業料に上乗せしないで、学生さんには100万円を支払ってもらいます。
この学校Cは、留学エージェントに報酬を支払わないといけないので、学校に残るお金は80万円になります。
学校Cでは、運営に必要なお金が足りないので、経費を削らなければなりません。
一番削りやすいのは、人件費、まずは先生たちの給与です。結果として、学校Cでは先生たちの熱意が低く、すぐにやめてしまう先生も多いです。
学校Cでは、事務スタッフの給与もできるだけ低く抑えられています。事務スタッフも辞める人が多く、マニュアルの引き継ぎがうまくできなかったり、経験豊富なスタッフがいないので細やかなサポートも難しくなり、学校運営はずさんになっていきます。
学校Cでは、固定費も下げたいので、古いビルの一室を借りたり、民家の一角を使ったりします。さらに、学校運営に必要な備品は、先生や生徒たちに自費で買わせたりして、経費削減をしています。
留学エージェントは報酬を得るために、学校Bと学校Cについて「この学校はすごくおすすめです!留学手数料も無料でお得ですよ」と宣伝しているので、学生さんたちは素直にこれらの語学学校に申し込んでいます。
ちなみに、報酬を出していない語学学校Aは、留学エージェントが紹介する「おすすめ&優良」の語学学校リストには入っていません。人気のある学校Aに行きたいと学生さんが希望した場合、うちでは扱っていないと断られるか、手数料実費で対応可能になることがあります。
海外留学保険で稼いでいる留学エージェント
留学エージェントの内部にはいくつかの部署があって、留学斡旋だけではなく、稼ぎどころは別にもあります。
一部をあげると、英会話教室、オンライン英会話、旅行代理店、保険代理店、海外用の携帯電話やwifiルーターの貸出、旅行用品のレンタル、現地のアパートやホームステイの手配など色々あります。
ここでは、海外留学保険の契約を取り上げてみます。
表向きは留学エージェントですが、保険代理店というのも大きな業務としているところがあります。
学生さんが1年間留学するとして、海外留学保険の年間契約になれば、補償内容にもよりますが30万円以上になることは珍しくないです。
こういった留学エージェントでは、海外留学保険を契約してくれない場合は、留学手配はしませんという圧をかけてくるところもあります。
留学手数料が無料で、安く留学できると思ったら、別の契約が色々関わってきて、実際には結構な料金になるという典型的なパターンの一つです。
海外留学保険はあれば安心ですし、万が一に備えるのであれば契約してもいいです。でも、カナダに行けば、もっと安くて病院で治療を受けられる保険もありますので、選択肢は他にもあります。
為替差益で稼ぐ留学エージェント
為替差益で稼ぐ留学エージェントもあります。いわゆる為替レートを高めに設定して、実際のレートとの差額で稼ぐ方法です。
留学エージェントでは、現地通貨(カナダドル)ではなく、日本円で価格を出していることが結構あります。
たとえば、カナダの語学学校に支払う授業料や宿泊費用が、合計で10,000ドル必要としたらどうなるのか計算してみましょう。
銀行の為替レートが1カナダドル=80円のときに、留学エージェントでは1ドル=95円のレートで算出したと仮定します。
1ドル=80円のとき、80万円です。
1ドル=95円のとき、95万円です。
1ドルあたり15円の利益になりますので、支払額が1万ドルでは、簡単に15万円の利益を上げられます。
これは良心的な?一例で、もっとひどいレートも多々あります。
ここ数年、カナダドルの為替レートは、1ドル=80円から110円くらいで推移しています。
1ドル=110円まで上がるリスクがあるから、余裕を持って1ドル=120円として価格を設定しようとなれば、10,000ドル=120万円となります。為替レートによっては、留学エージェントはそこだけでかなりの利益をあげられることがあります。
留学エージェント側に立てば、日本円で提示する以上、為替レートのリスクを負っているので、少し高めに価格設定しないと損してしまうということもあるでしょう。
でも、余り高めに料金設定をするということは、自分たちのリスクを学生さんたちに負わせているともいえます。
円高になると、円高還元フェアといって値引きセールのようなことを始める留学エージェントもありますが、元々高い料金設定であれば、実際には特別安くなったわけではありません。でも、こういったセールに、学生さんたちは釣られてしまうことがあります。
また、円安で損をしそうなときは、さっさと値段を上げたり、急激な円安なので追加費用が発生しますと言って、学生さんからお金を取っていることもあるので、学生さんの立場に立っているとは言い難いところもあります。
カナダの語学学校ホームページに料金が提示されていない疑念
留学エージェントと契約しているカナダの語学学校の中には、ホームページに実際の授業料等を公開していないところがあります。
また、検索しようとしても、ヒットするのは留学エージェントのページばかりで、本元の語学学校のサイトにたどり着けないこともあります。
語学学校のホームページにたどり着けても、そこから直接申込みができないようになっていて、代理店や留学エージェントから申込んでくださいとなっていることがあります。
こうなると正確な料金を把握するのは難しく、留学エージェントが適正な料金を提示しているのか、為替レートでどれだけ儲けているのかの判断が難しくなります。
こういったケースでは、留学エージェントと語学学校は、グルと考えられなくもないです。
語学学校のホームページには授業料等を高めに掲載しておいて、留学エージェントでは「うちから申込むと割引できますよ」という勧誘をしているケースもあります。こうなると、かなりの確率でズブズブの関係と疑った方がいいと思います。
残念ながら、多くの学生さんは、英語で表示されている現地学校のホームページの細かいところまでチェックしないので、留学エージェントに提案されるままに契約してしまうと思います。
留学エージェントの中には、ホームページに一切料金を出しておらず、すごくいい学校を紹介するので任せてください!といった運営をしているところもあります。
ホームページが綺麗だったり、ホームページ書かれている言葉が素敵で心を打たれたり、ナルシスト系の運営者が自信満々に宣伝したりすると、ここに任せてもいいかなと思ってしまいがちです。
こういった留学エージェントの中には、これくらいの費用がかかると思いますといった「簡易の見積もり」を送ってくることがありますが、それだけで手続きを依頼しないでください。
留学エージェントを利用したいのであれば、複数の会社から正式な見積もりを取るようにしてください。
初めの簡易見積りでは安かったのに、実際の見積もりでは余計な付加サービスがついたりして、高額になっているいることもあります。
複数の見積もりを取ってみると、同じ語学学校の申込みでも、料金差が大きいことがあります。異なる学校の見積もりを取れば、更に違いがわかってくると思います。
そして、正式な見積もりを比較して、これ以上の追加費用がかからないことを確認した上で、条件を確認して契約を検討してください。
留学カウンセラーという肩書やカナダに住んでいる日本人というだけで、勝手に留学の先輩とか信頼できる人と思ってしまう学生さんがいますが、あくまでもお仕事でやっていますので、この種の業界では安易に人を信じないようにした方が無難です。
留学エージェントは誰でも始められて稼ぎやすい?
留学エージェントは、基本、資格は必要なく誰でも始められます。
元々留学とは縁のない会社が運営していることもありますし、代表者やスタッフがそれほど英語を話せないところもあります。
初期投資が少なくて済む、語学学校の手続きは大学に比べたらものすごく簡単で(簡単な書類が2~3枚程度のレベル)、情報弱者の日本の学生さんたちを相手にするので楽に稼げるというスキームがあります。
このページ最初に、カナダ留学エージェントが増えていることをお話しましたが、儲かる、または儲けやすいので、多くの個人や会社が参入してきていると思います。なぜ儲かるかは、上を読んでいただければわかったでしょう。
現地の留学エージェントには、カナダにワーキングホリデーで来た人や語学留学した人たちがよく就職しています。高い語学力や特別な資格などは必要なく、カナダで生活した経験があれば就職できるといわれるほどですが、離職率が高いといわれています。
ある留学エージェントで働いていた元従業員(留学カウンセラー)さんが、「自分がカナダに残って生活を続けるために、同じ日本人を騙すような形で仕事をしていることに耐えられなかった」と言っていました。
大卒でも留学生がカナダで就職するのは難しい中、語学留学した後にカナダで就職できることは非常に稀です。そういった状況で、ワーホリや語学留学の後にカナダに残りたい人にとって、留学エージェントで働けるのは渡りに船ということがあります。
しかし、前出の元従業員さんの言うように、仕事の内容は、カナダ留学したい日本人を支援するという表向きの大義からは大分ズレているケースがあるようです。
それでも、カナダに住みたい、日本に帰りたくないといった思いがあれば、多少ダークな仕事内容でも、背に腹は代えられないという人達もいるでしょう。
良心的な留学エージェントもあると思いますが、元々なくてもいいところに仲介業者として入って手数料を取っているという考えもあり、余計なコストが生じて日本の学生さんたちの多くは損をしているかもしれません。
こういった現実をしっかり理解した上で、それでも留学手配を自分でやるのは面倒だし、細かいことには目をつぶるよ、というのであればそれは個人の自由で問題はないです。
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留学エージェントを使ったカナダ留学で満足している人たち
留学エージェントを使ったカナダ留学で、満足している人たちはたくさんいます。それはなぜでしょうか。
まずは、留学手配を代行してもらって、面倒な手続きが少なく、楽に留学できてよかったという満足感でしょう。
留学エージェントを訪れたり、ネットで相談をして、素敵な担当者さんに出会えたことが留学するきっかけになったため、高評価につながるケースがあります。
実際に留学してどうだったか、学生さんたちの留学体験と留学エージェントを結ぶ点でも考えてみたいと思います。
私立の語学学校(特に短期留学)では、語学をしっかり学ぶという厳しい授業内容のコミカレや大学の語学コースと違って、小旅行や野外活動などのアクティビティが結構含まれていることが多いです。
教室ではゲームをしたり歌を歌ったり、大自然の中にある公園に行ってキャンプやBBQをしたり、二泊三日くらいでカナダ旅行をしたり、楽しい留学の思い出作りを演出してくれます。
そのため、留学がすごく素敵な思い出になり、満足度が高くなります。
楽しかった短期留学をレビューで上げている学生さんの多くは、語学学校の小旅行でどこどこに行って楽しかったという内容が結構あります。
つっこむとすれば、それって普通の観光でよくないですか。JALやHISのカナダ旅行パックでもよかったんじゃないと思うところがありますが、語学学校のクラスメートと一緒に旅行したことがきっとよい思い出になるのでしょう。
学生さんの多くは、留学エージェントが紹介してくれた学校で楽しい体験ができたので、留学エージェントには満足しているということに繋がります。
でも、頑張っているのは、楽しい留学を企画してくれている語学学校の先生やスタッフさんたちです。
ホームステイも大きな要素で、人柄のよいカナダ人ホストファミリー宅に滞在できると、もうそれだけでカナダ留学は最高!となります。
ホームステイの部分は、カナダのホストファミリーが頑張ってくれている結果であって、留学エージェントとはあまり関係ありません。
でも、留学エージェントを通してそのホストファミリーに出会えたということで、全体で見れば留学エージェントのおかげという考えになる学生さんもいるでしょう。
一人では留学できなかったという人も多いと思いますが、前出の通り、余計な費用や損をする取引をさせられたと知った後は、その実態を暴露するブログなども結構散見されます。
留学エージェントは、よい語学学校を紹介してくれる?
留学エージェントを通すと、よい語学学校を紹介してくれると思っている学生さんもいると思いますが、本当にそうでしょうか。
利益優先の留学エージェントでは、よい学校=報酬が高い学校という冷めた認識ということがあります。
もう少し丁寧に言えば、報酬が一定以上で、悪い噂が少なくて、評価も平均以上であれば、よい語学学校の範疇と言ってもいいでしょう。
ちなみに、留学生に評判がよくて人気のある語学学校でも、報酬を出していない(または少ない)ところは、基本、留学エージェントではおすすめの学校として出てきません。
一人の学生さんが、同じ時期に2つ以上の語学学校に通うことはまずないので、留学エージェントでこの学校がよいと言われれば、そうなのかなという感じで実際の比較は難しいです。
語学学校の先生たちの給与が低いことはすでに述べましたが、そのため、語学学校では先生の出入りが激しいところがあります。
前期まではすごくいい先生がいておすすめだったのに、次の学期からはその先生がいないというだけで、前評判は一転します。
留学エージェントが写真や動画で語学学校の施設を紹介して、「この語学学校は、こんな綺麗で整っています、私たちは現地に行って学校を確認しているので安心です」といった宣伝をすることがあります。
施設はこじんまりしているけど、教室は綺麗でおしゃれなカフェもあって、語学を学ぶには十分な場所だなと学生さんは思うことがあるでしょう。しかし、施設が整っていても、先生やスタッフの出入りが激しい語学学校はトラブルが多いです。
私立の語学学校は、ほぼ留学生しかいない狭い世界です。しかも、大学のように厳しい入学基準がないので、基本、誰でも入学できてしまいます。ちょっと素行の悪い学生が入ってくると、学校の雰囲気は一変して悪くなります。
そして、そういった素行の悪い学生集団は、ロビーやカフェテリアにたむろしているので、せっかく綺麗なカフェがあっても行きたくなくなります。
日本人の少ない学校に行きたい!のページでもお話しましたが、留学エージェントがおすすめする語学学校は日本人が集まりやすいです。
おすすめされた時点ではよかったかもしれませんが、実際に入学した時点では日本人がたくさん集まっていて、必ずしもよい環境とは言えないこともあります。
留学エージェントがおすすめするか否かに関わらず、語学学校は当たり外れが大きいというのは仕方ない面があります。
強いて言えば、悪い環境でも、学生さんがいかに気分を切り替えてポジティブに受け入れるかにもよるでしょう。
長期で留学エージェントと契約してしまうと、変な語学学校に行っても我慢するしかありません。2学期以上(または半年以上)カナダに滞在するのなら、語学学校を変えられるオプションは残しておいた方がよいでしょう。
留学エージェントの倒産リスク
留学エージェントを利用するリスクとして、最も恐れるのは「倒産」です。小さな会社では、夜逃げもあります。
留学エージェントは、数年ごとに大型倒産があります。何十億円という負債を抱えて潰れてしまうと被害は甚大です。
中小の会社では、経営がずさんで潰れたり、社長やスタッフがお金を持ち逃げした結果、事務所が潰れたケースもあります。
カナダでは会社登記は簡単で、大してお金もかからず法人を名乗れます。会社(法人)だから大丈夫と思っている方がいるかも知れませんが、日本の法人組織と比べない方がいいです(日本の法人でも潰れるときは潰れますけど)。
留学エージェントが倒産した場合、留学エージェントに留学代金を支払っていた学生さんたちのほとんどは留学できなくなります。
アルバイトで苦労して貯めた留学資金でも、倒産しましたという紙切れ一枚の告知で、ほぼ、留学エージェントに支払ったお金は戻って来ないと考えていいでしょう。
ある留学雑誌で、モデルさんのような容姿の留学カウンセラーさんが度々特集されていた留学エージェントがありました。
きれいなオフィスも含めて華やかな雰囲気があって、こんな人たちが運営しているなら留学を任せても大丈夫かなという演出でした。実際、たくさんの人たちがこの留学エージェントを利用していました。
しかし、数年後、この留学エージェントは倒産しました。そして、留学費用を支払ったのに留学できなくなった学生さんがたくさんいました。
倒産を説明する会場で、その会社の社長が土下座をして被害者の方々に謝罪する中、夢を奪われた人たちの泣き声と怒号が響き渡っていました。
会社の倒産は、外部の人間が事前に知ることは難しいです。中で働いている従業員でさえも、直前まで知らされないというのはよくある話です。
カナダの語学学校に支払うためのお金を留学エージェントに預けたり、留学パッケージなどの代金を留学エージェントに支払うという行為には、最終的にそのお金が語学学校に送金されないという一定のリスクがあることを知っておいてください。
法的な縛りがないので、留学エージェントにお金を渡した後に、そのお金がどう使われるのか、いつ現地の学校に支払われるのかも分かりません。
留学エージェントに200万円を支払った後、留学エージェントのホームページが見られなくなってしまったときを想像してみてください。何日経ってもメールやLINEの返信がない状態で、電話を何度かけてもつながらないとき、あなたはどうしますか?
優しく対応してくれた留学カウンセラーさんがきっと助けてくれるとか思うかもしれませんが、会社が倒産していれば、留学カウンセラーさんは職を失って、もうその会社にはいないでしょう。
日本の会社は弁護士に倒産手続きを依頼するケースが多く、返金等の交渉はその弁護士と行いますが、倒産した時点でお金は余り残っていないはずです。
日本であれば、消費者生活センターや警察など助けを求めるところは色々ありますが、カナダの会社の場合はどこへ助けを求めますか。英語で現地の行政機関に連絡できますか?
カナダまでクレームを入れに行きたくなるかもしれませんが、会社のオフィスがどこにあるかもわからなかったり(私書箱やバーチャルオフィスのこともある)、行き着いてもとっくに引き払っている可能性も高いでしょう。
日本ではいくつも留学エージェントが潰れましたが、連絡の取れなくなった留学エージェントの事務所へ行ってみたところ、入口のドアに倒産を伝える紙一枚が貼られていただけで、もぬけの殻だったというようのはよく聞く話です。
どうしても留学エージェントを利用したい、利用しないと留学できないと考えるのであれば、リスクを十分に考えて、留学エージェントに多額のお金(授業料や滞在費等)を支払わないことをおすすめします。
カナダの語学学校やコミカレは、通常、1学期ごとに授業料を支払います。学生寮やホームステイなどの宿泊施設は、学期ごとや毎月の支払いになります。短期滞在型のアパートは滞在期間ごと(1週間から1ヶ月など)というケースもあります。
ところが、留学エージェントでは留学期間すべての費用を一括で払うように求めてくることがあります。またパッケージが組まれていて、学期ごとの支払いをさせてくれないケースもあります。
一括で支払えなければ、ローンを勧められることもあります。利子だけでも支払いが大変になります。
たくさん中抜される上に、支払った学費等が現地の学校に支払われる法的な保証もないのに、多額の留学資金を留学エージェントに支払う必要があるのか、よくよく考えてみてください。
現地の語学学校やカレッジへの支払いは、各学校のホームページからネットショッピングのようにクレジットカードやデビットカードで支払えたり、海外送金も日本のネット銀行などのウェブサイトから簡単に手続きできるようになっていますので、専門家に頼む必要はありません。
留学エージェントが都心のきれいなオフィスで営業できているのは、留学エージェントを利用する情報弱者の方々のおかげというのは言いすぎかもしれませんが、それくらい多くの方が貢献しています><)
留学エージェントがおすすめしている語学学校には、留学エージェント経由で留学してきた学生さんがたくさんいますが、それ以外の学校やコミカレ・大学等では留学エージェントを利用している人は余りいない現実があります。学生の皆さんは、当然のように自分で留学手続きをしています。
留学エージェントを利用したけど、短期留学を終えて日本に返ってくる頃には、別に留学エージェントは必要なかったと思う人がたくさんいることを知っておいてください。
留学エージェントのチェックポイント
こちらのページでは、留学エージェントのデメリットを中心に解説しましたが、逆に見れば、それらの問題に真摯に対応している留学エージェントは信頼度が高い可能性があります。
留学エージェントとして、丁寧な対応や正確な留学手配ができるなど、しっかり運営していることは前提で、下記のような項目を、自分が利用しようとしている留学エージェントと照らし合わせてみてください。
・語学学校から報酬をもらって運営していることを正直に言っている
・留学手数料が無料なのは、報酬をくれる語学学校だけに限ると通知している
・人気の語学学校でも、提携のないところは紹介していないことを明言している
・おすすめしている語学学校は、外部評価や一般の認知度によるものではなく、自社が提携している学校の範囲であると告知している
・それぞれの語学学校に入学手続きできる人数を制限している(一つの学校に日本人が集中すること避ける)
・海外留学保険や現地サポートなど追加のサービスや商品を無理に売りつけない
・留学前の有料セミナーや英会話教室への勧誘をしない
・インフルエンサーを使って過剰な演出をしていない
・美辞麗句のレビュー、SNSによる提灯記事や動画等で印象操作をしていない
・為替差益で儲けていない(例、語学学校の正規料金を明記して、直近の為替レートで支払合計を算出している)
・留学エージェントでお金をプールしない(例、学生さんが現地学校に直接支払う方法にしている)
・正確な料金を提示する前に契約するように誘導しない(例、まずは契約させておいて、手続きの際に不要なサービスを追加してくる。契約解除するには手数料を取られる)
留学エージェントとしては、マイナスのイメージを与えてしまうことは言いたがらないでしょう。しかし、ある程度正直に、学生さんに伝えているところは、安心感が増すと思います。
さらに行きたい語学学校のホームページを調べて、正確な料金が出ているか、直接申込みができるかも確認してください。
一般の語学学校やコミカレの語学コースは、ホームページに申込みフォームが用意されていて、簡単に申し込みができるようになっています。
ところが、一部の語学学校では直接申込みができなくて、留学エージェント経由でしか入学できないところがあります。こういった語学学校では、人員が不足していたり、留学エージェントへの依存度が高く、料金も不明瞭になっている可能性があります。
辞書片手でも入学申込みができる語学留学
留学エージェントを介さないとカナダ留学ができないわけではありません。
現地に行くとわかりますが、カナダに来る多くの留学生が、自分たちで手続きをして、直接、語学学校だけでなく、大学やコミカレ付属の語学コースに申込んでいます。
各学校に直接申し込む場合は、支払いも各学校に直接送金したりクレジットカード決済で支払うので、留学エージェントの倒産を心配する必要はありません。
語学学校やコミカレ語学コースの入学申込みであれば、英語が多少苦手でも、辞書やスマホの翻訳アプリを使って、入学申込みフォームの入力ができると思います。
日本語訳の付いた申込用紙を用意している語学学校もありますし、日本人スタッフのいる語学学校であれば、メールして日本語で質問することもできます。
有名大学の語学コースは英語初心者向きではないことがあって、申込みが難しいことがありますが、まだ自分には無理と思って避ければよいだけです。
必要であれば、申込書の翻訳をアイディービジネスやココナラなどのサイトで依頼することも可能です。
一昔前は、留学エージェントを使って留学するのが、ちょっと恥ずかしい時代がありました。自分で手続きしないで、高い料金を斡旋業者に払ってカナダに来たの!?と言われてしまうので、留学エージェントを使っていても内緒にしている学生さんがいたほどです。
ところが、近年は留学エージェントがたくさん登場して、きれいなホームページで宣伝をしたり、インフルエンサーなど影響力のある人たちを使っておしゃれに演出したりして、留学エージェントのイメージアップをしています。
ちなみに、現在は「留学エージェント」というカッコいい呼び名ですが、以前は、留学斡旋業者とか留学斡旋機関というように呼んでました。ここもイメージアップされていますね。
イメージアップが悪いわけではありませんが、前出の通り、留学エージェントを利用するには隠れたコストが色々あること、実際に契約してみると安いと思っていたものが予想外にお金がかかる結果になったり、最悪、倒産によって留学資金を失うリスクもあります。
留学エージェントによって、カナダ留学がよりポピュラーになり、日本の学生さんが海外に出るきっかけになっていくことは、すごくよいことだと思います。
しかし、留学手数料が無料といったおいしい話や表向きの内容だけに釣られるのではなく、隠れたコストやリスクといったデメリットも理解した上で、利用されることが大切であろうと思います。
➡留学エージェントの利用方法について更に詳しい情報は、留学の窓口・留学エージェントのページもご参照ください。
➡下の動画は、フィリピン語学留学に関連する留学エージェントや語学学校について、関係者の方にインタビューをしている動画です。国は異なりますが、留学エージェントの闇について、リアルなお話が聞けると思います。