カナダの私立語学学校は、一般に、日本にもある大手の英会話学校に似たものと考えるとわかりやすいです。
簡単な英会話コースから始まり、ワーキングホリデーで必要になるビジネス英会話、スポーツやアクティビティを織り交ぜた楽しい語学コース、TOEFLやTOEICといったテストのスコア・アップ、大学準備コースというように、様々なコースが用意されています。
大学やカレッジの語学コースと違って、民間の語学学校はより顧客(学生)目線に立った細かいサービスやコースが用意されているのが特徴です。
また、学期ごとや毎月ごとに入学できたりと自由度があり、学費がカレッジの語学コースと比べると安いといったことも人気になっています。
こちらでは、どんなコースがあるのか代表的なものをピックアップしてご紹介します。
基本的な英会話コースからまずはスタート
英会話コースは、初心者クラスから上級者まで、自由に英語でコミュニケーションできることを目的にしたコースです。
カナダで生活しているということで、実際に生活に必要になっている会話形式を練習することは、初心者の学生にとっては非常に役立つコースでしょう。
レストランで注文をする、スーパーで必要なものがどこにあるのか聞く、友人宅での会話の仕方など、日本語では当たり前でも英語では急にできないものですから、それをロールプレイングで練習していくコースなどもあります。NHKの英会話レッスンなどでもおなじみのスタイルです。
意思を伝えることも大事ですが、正確に発音することも大切です。せっかくカナダまで行くのですから、現地の正確な発音を身につけたいものです。
単に英会話といっても、発話するだけではなく、相手の言ってことがわからないと話を返せませんから、リスニングも重要です。
ボキャブラリーがなければ、相手が何の話をしているのかわかりませんし、自分の言いたいことも十分に伝わりません。
そういったことから、発音、単語や構文を覚え、スピーキングとリスニングに繋げていきます。
初心者から中級コースに進むと、語彙を増やしたり、会話スピードを上げて普通の会話に近いテンポで話せるようにトレーニングしていきます。
英会話コースでは、先生はゆっくりと話をしてくれています。そこで話せるようになった、聞き取れるようになったといって街に出てみると、まったく通じないというのは珍しくないです。
そこで中級以上になると一般の会話に近いスピードにどんどん上げていって、そのスピードに慣れるようにトレーニングしていきます。さらに、単に構文を覚えた形式的な言い回しから、より自分のフィーリングを織り交ぜた会話ができるように練習をします。
仕事に役立つビジネス英会話コース
カナダには、ワーキングホリデーを利用してやってくる学生がたくさんいます。
しかし、英語が十分に話せない中では、なかなか望んだ仕事には就けません。結局は日本食レストランなど日本語が使えるバイトに落ち着く人が多いのが現状です。
そこで、カナダでも自由に仕事ができるように、ビジネスに必要な英語を学ぶコースがあります。
履歴書の書き方に始まり、面接、顧客との対応、ミーティングや交渉などで必要となる英語を学びます。
一般の英会話コースの上級コースと考えてもいいですが、よりビジネスに直結した英語が学べるコースです。
大学やカレッジ入学を目指す英語コース
大学やカレッジ入学を目指すコースはアカデミックな内容になります。
アカデミックな内容には、スピーチ、ライティング、リスニング、文法、ノートテイキングなどが含まれます。
自由な雰囲気の英会話教室とは異なり、予備校や大学講義のようなスタイルになる傾向が強いです。
一般の英会話コースでは、積極的に話すことや表現できることが優先されるので、文法的なことは間違っていても意味が通じればよいという趣旨からスルーしてもらえることは多々あります。
しかし、大学入学を目指すとなれば、そういった甘えはありません。文法やイディオム、構文形式は正確にマスターしなければなりません。
実際、大学の課題で提出するエッセイや論文といったものは、文法ミスが1~2個あった時点で失格、それ以上読んでもらえないことがあります。
基礎をしっかり固めて、そこからスピーチやライティングの技術を伸ばしていきます。TOEFLの点数だけ取って大学に入っても、こういったことは急にできるものではないので、テクニックや方式を学んでいきます。
総合英語コース
上記では、各コースを簡単にご案内しましたが、学校によってはレベルを1~7くらいに分けて、その各レベルで様々な分野(リスニング、スピーキング、ライティング等)をバランスよく織り交ぜて、総合的に教えているところもたくさんあります。
簡単に言えば、レベル1~2くらいまでは英会話コースを中心にして、3~5レベルは文法やライティングを中心に中級レベルを学びます。レベル6~7は、スピーチ、ディベート、エッセイといったようにアカデミック系のより専門的な英語を学ぶといった感じです。
オプションで、TOEFL・TOEIC・IELTSといったテストの専門コースを取ったり、短期間で取得できる資格(ディプロマ)を取るコースが用意されていることもあります。
自分の目的にあった学校を選ぼう
学校によって様々なコースが用意されているので、自分の目的にあった語学学校を根気よく探してください。
留学エージェントは語学コースに精通しているところがありますので、そちらから情報を提供してもらうこともできます。
ただ、留学エージェントは学生に学校を紹介することで利益を得ている会社です。日本ではなじみが少ないですが、不動産の仲介業者と似ているといえば分かりやすいかもしれません。
不動産仲介と同様に紹介報酬で運営している会社なので、学生の目的云々の前に、利益の高い学校へ誘導される可能性がゼロではありません。そのあたりも十分に理解したうえで、利用されることをお勧めします。