トロント大学はカナダの名門大学であり、メインキャンパスはオンタリオ州のトロントにあります。トロント大学は1827年に創立されたカナダ最大規模の大学です。また、12のカレッジから構成される大規模な大学でもあります。
トロント大学の基本情報
トロント大学は、オンタリオ州の州都トロントにあります。トロントはカナダ最大の都市であり、カナダの金融や経済の中心地でもあります。その中で、トロント大学は各界にエリートを送り込む大学として地位を確立しています。
研究が非常に盛んな大学であり、政府機関や民間企業などからの支援される研究予算はカナダの大学の中で最大です。歴史上、貴重な発見をしてきたトロント大学とその研究チームですが、現在でも医学やバイオテクノロジーなどの分野で様々な発見がなされています。
トロント大学は、インスリンやステム・セル(幹細胞)の研究発祥の地として知られています。フレデリック・バンティング(Frederick Banting)博士はインスリンの発見者として有名で、ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
2014年の統計で、学部で約67,000人、大学院で約16,000人の学生が学んでいます。そのうち13~15%が約150カ国から集まってきている留学生です。
大きな大学であるため、たくさんの学部がありますが、理工学部、法学部、教育学部、経営・商学部、医学部などが有名です。
下記のカレッジはトロント大学機構内にあり、トロント大学内で学べないものはないほどの規模となっています。
・Innis College
・New College
・St. Michael’s College
・Trinity College
・University College
・Victoria College
・Woodsworth College
・Knox College
・Regis College
・Wycliffe College
・Massey College
・Emmanuel College
トロント大学内のカレッジ・ランキング選びで迷ったらこちらの動画↓
トロント大学は、Ontario Universities’ Application Centreからオンラインで通して申し込みます。トロント大学は、申込の段階で、通常、上記にある複数のカレッジから通いたいカレッジの上位3つを選びます。
それぞれのカレッジがホームページを持っていますので、専攻できる教科、学生寮、クラスサイズなどをリサーチして、自分に合ったカレッジを選ぶことになります。希望のカレッジ3つを選ぶことで、合格した際には、その希望の中から大学側が一つ選ぶようになっています。
トロント大学なのに異なるカレッジ名でそれぞれ独立もしているので、システムが分かりにくいと言われることがありますが、トロント大学内のどのキャンパスを希望するのかというように考えてみてはいかがでしょうか。ちなみに、選ぶカレッジによって、合格しやすくなるということはないそうです。
トロント大学の大学ランク
歴史や様々な大学ランキングなどから判断して、総合的にカナダ第一位の大学と呼べると思います。
ノーベル賞受賞者、カナダの首相、作家、研究者など著名人を数多く輩出していることもあり、国内外で評価が非常に高い大学です。
2013年度の世界ランキング、Academic Ranking of World Universities (ARWU)では28位、Times Higher Education(UK)では20位、QS World University Rankings 2013で17位にランクされています。
語学コースについて
トロント大学付属の語学コースは長い歴史があり、世界からトロント大学に集まる優秀な学生に指導できる教師陣が揃っています。
English Language Programの中に、「English for Effective Communication」や「Academic English」といったコースがあり、レベルに応じて選択します。
English for Effective Communicationは、初級~中級向けのコースになっています。日々の日常会話やボキャブラリーを増やす、簡単なライティングなどを強化していきます。レベルや習得度に応じて、3~6か月かかるコースになります。
Academic Englishは、大学進学に向けた英語コースになっており、中級から上級向けのコースになります。レベルや習得度に応じて、6~9か月かかります。
このAcademic Englishの一番上位のクラスで成績B以上を取れば、基本、トロント大学の入学に必要な英語基準を満たすことになります(一部除外あり)。
大学や学部で指定されたTOEFLまたはIELTSの成績を取ることでも、大学入学の英語基準を満たすことができます。
通常、トロント大学で必要とされる英語レベルは下記のとおりです。学部によって多少異なることがあります。
- IELTS: 6.5 overall, with at least 6.0 in each band
- TOEFL iBT: 100 total, with 22+ in writing
トロント大学に申し込んで、英語を除く他の成績等が入学基準を満たすものであった場合、International Foundation Program (IFP)への入学を許可されることがあります(条件付き入学)。原則、高校から大学に申し込んできた学生が対象で、他の大学やカレッジで学んだ人は除きます。
このIFPは、大学1年生の科目を取りながら(単位が取れます)、英語コースも学んで、足りない英語力アップを目指すプログラムです。IFPで既定の成績を取ることができれば正規入学となります。
語学コースのステップと費用
語学コースから始める場合は、4ステップで大学まで進むことが可能です。ただし、規定の成績を取るなどの条件をクリアしていく必要があります。
・ステップ1 English for Effective Communication(初級~中級) |
・ステップ2 Academic English(中級~上級) |
・ステップ3 大学申込 |
・ステップ4 入学許可が出れば正規学部へ。条件付き入学の場合は、International Foundation Programへ |
学費(2024年-2025年):
- English for Effective Communication(4週間): 2130ドル
- Academic English(12週間): 6390ドル
- International Foundation Program(8か月): 約50,000ドル~52000ドル
たとえば、Academic Englishに9か月間(中級~上級まで)通った場合は約20,000ドルになります。International Foundation Programが急に高くなりますが、これは大学の学部コースを選択するためです。※金額はカナダドルです。
コミカレの大学編入コースからトロント大学へ行けるか
コミカレ(コミュニティカレッジ)でよい成績を取れば、トロント大学へ編入できる可能性はあります。大学編入コースはコミカレから大学へ行きやすい制度になっていますが、トロント大学に関してはかなり高い成績が要求されます。
下記は、トロント大学へ編入学している実績のあるカレッジの一例です。
カレッジ | 大学編入コースのある学部の一例 |
---|---|
George Brown College (Toronto) | Business, Computer Science, Social Science |
Seneca College (Toronto) | Arts, Business, Science & Health |
Humber College (Toronto) | Media, IT, Business, Social Services |
Centennial College (Toronto) | Engineering Tech, Health, Humanities |
Sheridan College (Oakville) | Animation, Design, General Arts & Science |
上記のカレッジにおいても、トロント大学へ編入しやすい、または、確実に編入できるというわけではありませんので、トロント圏内やオンタリオ州にある他の大学への編入も重ねて検討することをお勧めします。

トロント大学の学費について
トロント大学の学費について、2024-2025年の年間学費を学部を一部ピックアップして掲載します。金額はカナダドルです。学生寮などの滞在費や生活費は含まれていません。
- Bachelor of Business Administration: $71,560
- Computer Science: $65,110
- Journalism :$62,950
- Art and Art History: $62,950
- Bioinformatics: $65,110
- Commerce:$71,560
- Communication, Culture and Information Technology (CCIT): $65,110
- Computer Science: $65,110
- Management: $65,110
- Theatre and Drama: $62,950
- Applied Science Bachelor’s Programs: $ 69,390
- Architectural Studies: $62,950
- Information: $62,950
- Kinesiology: $49,010
- Music: $48,090
- Nursing: $51,060
- PharmD: $54,550
カナダでは、留学生の学費はカナダ人学生が支払う学費の数倍に設定されていますが、トロント大学のあるオンタリオ州は特に高いです。
ここ数年のカナダドル相場は、1カナダドルが80円から120円くらいで推移しています。円安になると日本人学生にとっては留学しにくい状況になります。1ドル100円のとき、学費が65,000カナダドルの場合は650万円/年が必要になります。
日本の国立大学(文系)の4年間の学費平均が、250万円位~といわれていますから、それと比べると非常に高いことがわかるでしょう。
以下は、2014-2015年に記載した年間学費のリストです。2024-2025年と比べると倍くらいに値上がりしている感じがします。
トロント大学をはじめ、カナダの大学の多くが毎年授業料を値上げしていますので、一旦入学した後に4年間通うとした場合、その値上げにも備えなければなりません。
・Applied Science & Engineering: $39,580
・Architecture, Landscape and Design: $35,283
・Arts & Science: $35,283
・Forestry: $28,787
・Information: $28,790
・Kinesiology and Physical Education: $28,107
・Music: $28,107
・Nursing: $35,283
・Pharmacy: $31,894
・Social Work: $25,687
・Computer Science: $35,283
・Commerce/Business Administration: $35,283
★コース概要、スケジュールや費用等は執筆時のもので、以後、変更になる場合があります。最新情報は、トロント大学のホームページにて入手してください。
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