カナダの語学学校へ申込みをする際に、どの語学学校または語学コースがよいかということで、悩んでしまうかもしれません。
まずは自分の目的と優先順位を確認しましょう。
留学と一言で言っても、夏休み留学、半年未満の短期留学、卒業まで数年かかる大学留学など様々です。自分の目的に合致した語学学校や語学コースを選ぶことは、その後の進学や就職に大きな影響を及ぼすことがあります。
留学雑誌に載っていたからここでいいか、知らない人がブログで紹介していたからよさそうだと思ったというように安易な選択は控えたいものだと思います。
最初の一歩でつまづいてしまって、カナダ留学がつまらないもの、失敗した留学にならないために、自分の目的をしっかり決めて、語学学校・語学コース探しをしてみてください。
目的をはっきりして語学コースを選びましょう
まず第一段階では、英語を何のために学ぶのか決めましょう。
日本で外国人を接客するために英語力をアップしたい、カナダで資格を取りたい、カナダのコミュニティ・カレッジ(コミカレ)や大学に行きたいなど、進学や将来の仕事から逆算して、今、どういったレベルの英語力が必要なのかというように考えてもいいでしょう。
一般に大学やコミカレ入学を目指す方は、自分の行きたい大学やコミカレ付属の語学コースに進むことが卒業への近道になります。ただし、進学を目的にしたコースのため、現時点である程度の英語力がないときには、授業についていくのが大変なことがあります。
大学の語学コースは、大学基準の中で運営されていますので、講師の資格審査が厳しく、また監査やシステムもしっかりしていて、当たり外れが少ないといわれます。大学のようなアカデミックな環境で学びたい人には適しているでしょう。
大学付属の語学コースは、英会話教室のような会話レッスンには余り力を入れていませんので、英会話初心者の方には向かないと思います(夏休みに提供される短期の語学研修を除く)。上級クラスになれば、スピーチやディベイトの練習もしますが、英会話とは異なります。
語学コースに入るだけでもそれなりの英語力を求められ、初級レベルでは入学できない大学の語学コースもあります。スケジュール、宿題、テストなどが厳しく、楽しい英会話教室を想像していくとかなりギャップがあると思います。
英会話初心者で会話力を身につけたい、または、短期留学やワーキングホリデーでカナダにいくので、早く実践的な英会話を身につけたいという場合は、コミュニケーションを授業の柱にしている私立(民間)の語学学校へ進む学生が多いです。
英語が全然ダメという人でも、比較的通いやすい環境が私立語学学校にはあります。気軽に英語の世界に入りたいという人にも向いているかもしれません。
語学学校には、日本人スタッフがいるところも増えており、そういった学校では、英語が話せなくても事務手続きを含めてなんとかなるようになっています。
語学学校の中には、単なる英会話教室だけではなく、予備校のように大学受験コースがあるところがありますし、TOEFLやIELTSを専門にしたコースを提供しているところもあります。
大学と提携があるところも一部ありますが、通常、コース終了が大学入学に直結せず、あくまでもTOEFLといった試験で大学入学を目指す学生を対象にしたものになります。
コミカレは、大学寄りの教育システムですが、レベルの低い学生には、私立語学学校のように英会話を集中して行うところもあります。見方によっては、大学と語学学校の中間くらいの位置にあって、柔軟な教育システムを提供していることがあります。
英語力に自信はないけど、将来は大学に行きたいと思っているときには、コミカレの語学コースから始めて、コミカレで正規学部に入ってから1~2年後に大学に編入するという留学生が多いです。
それぞれの教育機関では得意分野や専門性があって、大まかに分けると「英会話上達のための語学学校」と「進学のための大学やコミカレ付属語学コース」があることは、最低限、知っておいた方がいいでしょう。
ただ、語学学校は英会話だけで、大学入学レベルの勉強を全くしないというわけではありません。逆に、大学やコミカレで全く英会話を教えてくれないというわけでもありません。
自分の行きたい語学学校や大学の語学コースが、何に重きをおいているのか、何を専門にしているか、どんな特徴があるのかというところは、しっかり調べてから留学して欲しいと思います。
大学に行けば英語が流暢になるとは限らない
大学の語学コースに入って、もっと英会話をやりたいとクレームを入れる学生がいますが、行く学校を間違えているということに気が付いて欲しいところでしょう。
大学に入ることを目的にした語学コースを終了した日本人学生の中には、大学の正規学部で学んでいても、英会話が苦手と思っている人は結構いると思います。
アメリカで大学を卒業しても、ビジネスレベルで使えるほど英語を自由に話せない日本人がたくさんいるのは、意外に知られていないでしょう。
学部やコースにもよりますが、大学では筆記テストや論文重視の教授も多く、アメリカの大学に行ったから英語が流暢に話せるようになるかといえば、必ずしもそうとは限らないです。
読み書きに関しては高い英語力を保持しているので、その気になれば英会話のレベルアップは難しくないですが、日本で就職している分には、仕事に直結しないのであれば必要ないと考えている人たちもいます。
大学の語学コースに入ったものの、英語が話せるようにならないとストレスを抱えて、私立の語学学校へ転校してしまう学生もいます。でも、最終目標が大学卒業であれば、英会話の家庭教師を雇ったり、オンラインで英会話レッスンで補うという方法もあります。
誤った語学学校・語学コース選びが脱落へ向かわせる
語学学校は、大学附属の語学コースと比べたら緊張感がそれほどないので、通いやすい雰囲気があるでしょう。短期留学の学生が多いこともあって、学生の出入りが多く、試験や成績については緩いところが結構あります。
それほど熱心に勉強をしなくてもやり過ごせてしまう語学学校もあり、そうなると遊びが優先になってしまう学生も多いです。そんな流れに巻き込まれてしまうと、当初の留学目的が崩れてしまう学生がいます。
日本では、親元から離れて大学に通ったものの、自由を謳歌しすぎて堕落してしまう学生が結構いるようです。でも、受験勉強を頑張って大学に入った後ですから、ある程度遊んでしまっても、卒業ができればなんとかなります。
しかし、留学の場合は、語学学校でつまづいてしまうと大学入学どころではありません。コミカレや大学卒業が目的だったのに、語学学校すら終了することが難しい状況になっていまう学生がいるのも現実です。
逆に、気合を入れて大学付属の語学コースに行ったものの、実力差がありすぎてついていけないという学生もいます。いきなり落ちこぼれになってしまったり、授業で何を話しているのか全くわからなくて、精神的に追い込まれてしまうことがあります。
教室に行くのが憂鬱で休みがちになって、そのうちにドロップアウト・・・決してよいスタートとはいえません。
結局、レベルの低いコミカレの語学コースや民間の語学学校に転校したりして、やり直す学生がいます。気持ちが萎えず、別の学校でゼロから頑張れるというメンタルがあればいいのですが、学生の中には、挫折感から帰国したり別の道に進む人もいます。
自分にあった語学学校や大学の語学コースを選ぶ大切な理由が、こういったところにも繋がってきます。また、留学前にどれだけ英語を学んで準備できるかというところも重要になってきます。
語学学校に期待する優先事項を決めましょう
どんな語学学校を希望しているのか、留学カウンセラーさんが学生さんの話を聞くとこんな意見が出てくることがあるそうです。
「実力は付けたいけれど、厳しい学校はイヤ!」
「朝早いクラスがあるところもイヤ!」
「日本人が少ない学校でなければイヤ!」
「楽しい学校でないとイヤ!」
ちょっと無理かもしれませんね。。。(^_^;) 留学カウンセラーさんに同情します。
絶対、英語力をアップしたいと考えるのなら、他のことには目をつぶって多少厳しい学校を選ばれた方がよいかもしれません。
楽しく旅行気分で過ごしたいのなら、アクティビティの豊富な語学学校がありますので、そういった学校へ行くとよいと思います。特に夏は色々とイベントがあって楽しいです。
なんでも揃っている学校はないので優先事項を決めましょう。
自分で決める!語学留学こそが大切
私立(民間)の語学学校では毎月入学できるところが結構あって、学生の出入りが激しいですので、そのたびに環境は一転します。
体験談などでこの学校は良かったと聞いても、それは一昔前の話だったりします。
教え方がうまいと評判の語学学校でも、日本人や留学生同士の関係などがあまりよくなく、教師陣が優れているのにも関わらず、通いたくなくなってしまう学校があります。
設備や教師が劣る学校でも、滞在したホームステイがよかったり、友達に恵まれたりすれば、十分満足できる留学生活になるケースもあります。
語学学校では、大学などのように厳しい入学基準があることは少なく、学内のレベルを一定にキープするのは非常に難しいと思います。
自国では進学できなくて親に無理やり留学させられてしまった学生、とりあえず海外へ行けば格好がつくといったような考えの学生が多数入学してくると、クラスの雰囲気も一変してしまうことがあります。
英会話を教えることが柱になっている学校では、教科書に沿った授業より、先生の裁量に任せる部分が大きく、評判だった先生が他へ移ってしまうと、がらっと雰囲気が変わってしまうことも珍しくありません。
充実した留学、または楽しい留学にするためには、たくさんの要素がある上に個人差もあります。現地でいかに自分が頑張るか、ということもあるはずです。
まず、自分の感性と自分で集めた資料を信じて学校を選んでください。どうしても自分自身で判断できないときは、留学エージェントなどで調べてもらったり助言してもらうのもいいでしょう。ただ、留学エージェントはボランティアでやっているわけではありませんので、会社の都合やお金が絡んでくることは十分承知しておいてください。
どのような場合でも、自分で責任を持つ気持ちが一番大切であると思います。人の意見を聞くことも大切ですが、人に勧められるままに学校を決めるのは考え物です。
例えば、留学エージェントに勧められてある語学学校に行ったものの、それが自分にはなじめない学校であったときに、勧めてくれた担当者を責めるだけで何の進歩もなく帰国していく学生もいます。
自分の選択が間違っていたと判断するなら、現地で学校を変えることもできるのですから、臨機応変に、そして自分の選択に責任を持っていきましょう。
目的を決めて、自分にあった語学学校を選ぶのは簡単ではありませんが、是非、「自分で決める留学」を実行してください。