カナダの大学やコミュニティカレッジでは、教育機関によって2-3-4学期制と異なっており一律ではありません。日本の学校は3学期制のところが多いと思いますが、必ずしも同じではありませんので、その特徴を知ることが大切です。
カナダの大学やカレッジは、基本的に9月から始まります。正規学部へ入学でいえば、カナダ国内から申込む際(編入学など)には、1月や4月から入学できるところもありますが、海外から申込む留学生の受入は、9月に限定しているところがあります。
日本と違って、入学は桜咲く4月からとは限らないので、入学申込み時期についても注意した方がいいでしょう。
じっくり学べる2学期制の大学&カレッジ
2学期制は、セメスター制と言われ一学期間が長いです。
一般に、一学期目は9月初め前後~12月末まで、二学期目は1月から始まり4月頃まで続きます。大体、4ヶ月くらいが一学期というパターンになります。
2学期制は、一学期が長いので、じっくり時間を掛けて学ぶことができる特徴があります。研究や調べ物が多い学部では十分に時間をかけやすいでしょう。
2学期制では5科目程度を取りますので、一学期が長いといっても学んでいる科目が多いので一科目にそれほど時間を掛けられないという学生もいます。
一学期に学ぶ教科が多いので選択する科目をうまく調整をして、3科目は難しい教科、2科目は比較的やさしい科目を選ぶなどしてやりくりした方がいいかもしれません。
学生の中には、5科目同時に取るのは無理として4科目以下にする学生もいます。その分卒業が延びるのですが、成績を落としたり、落第するよりはましという選択です。
2学期制で大変なのは、テストは一時期に集中しますので、とても一夜漬けではできません。しかも、一学期が長いので、後期のテストが始まる頃には授業で習った半分位のこと忘れてしまっている学生が多いです。
2学期制で単位を落としてしまったときは、一年に2学期しかないため、もう一度同じ科目を取るには次の年まで待たないといけないことがあります。
4ヶ月もあるからと手を抜いていると期末のテスト時期に大変なことになるので、日々ペースをしっかり守って学ぶ必要があります。
日本の学校と同じペースで学べる3学期制の大学&カレッジ
3学期制は、9月半ば~12月半ば、1月~3月、4月~6月のように、夏休みが長いことを除くと日本の学校と似たスケジュールです。
一学期が約2カ月半から3カ月くらいというように、2学期制より期間が短いのが特徴です。
9月から始まるとはいえ、それ以外は日本と同じようなペースで学ぶことができるので馴染みやすいと思います。
3学期制の大学やカレッジでは、一学期に3科目程度取るのが普通です。少しがんばって4科目とって早く卒業したいという学生もいます。
2学期制のようにたくさんの教科を勉強しなくてもよいので気が楽かといえばそうではなく、授業スピードがかなり速いです。一学期間が短いのでどんどん講義を進めていかないと、教科書を網羅することができないからです。
授業スピードが速いため、ついていけずに落第してしまう学生もいます。ただし、2学期制と比べてスピードが速いということであって、必ずしも無理なペースで進むということではありません。
早く卒業できる4~5学期制、ただし、落第の危険性も。
4学期制は、3学期制にサマーコースが付いたようなものになります。
大学によっては、このサマーコースをさらに二つに分け、合計で5学期制になっているところもあります。
アメリカでは5学期制をとっている大学が結構あって、日本人学生が2年半くらいで大学を卒業してしまうのは,、こういった5学期制を有効に活用した結果です。
ちなみに、夏の講座は期間が短いのと、参加者が少ないので、一般教養や補助科目が主になります。
大学によってユニークな講座が用意されていることもあり、単位は少ないですが、コンピュータの基礎講座、自然観察や史跡ツアーなどがあったりします。
この夏の間に一般教養を集中して取ったり、細かい単位を集めておいて、他の学期には自分の専攻だけをどんどん取っていくと、卒業がぐんと早くなります。
ただ、早く卒業しようと余り焦りすぎたり無理をすると体調を崩したり、単位を落としたりしてしまいます。休むときは休むというように、無理のない計画でバランスを保ちたいところです。
長短がある学期制をどう選ぶかが卒業への大事なポイント
どれがよいとは簡単に言えませんが、早く卒業するには4~5学期制が適していると思います。
欠点としては、4~5学期制は一学期間が短く、授業の進み具合が早いです。余り早く進みすぎるので、何を学んだのか分からない内に終わってしまうという学生もいます。
その点、2学期制は一学期が長いので、じっくり時間を掛けて学ぶことができる可能性があります。
私は2学期制のカレッジに通いましたが、全くなじめませんでした(※個人的な感想です)。
2学期制は、じっくり学べることは確かなのですが、テストまで日数があると思って気を抜いてしまったり、1学期が長く、集中力が持続できませんでした。そのツケは期末試験にやってきて、単位を落としたり、成績が悪い結果に終わってしまいました。
このため、カレッジから大学への編入する際は4学期制のところを選びました。2学期制の大学も入学許可はもらえて、そちらの方が人気があったのですが、2学期制を選ぶと卒業できないかもしれないという恐怖心があって、4学期制の大学を選びました。
その選択が正しかったのかは分かりませんが、とりあえず卒業はできました。4学期制の短期間で集中して学べる環境が個人的にあっていたのだと思います。さらに夏休みの間も大学に残って講義を受け、2学期制のカレッジで遅れた分の単位を取り戻すことができました。
学期制の選択は、どれも長短ありますので、自分にはどれが適しているか、申込の前にじっくり検討してください。