カナダ・クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド(Arthur McDonald)教授が、梶田隆章教授と共にノーベル物理学賞を受賞しました。
マクドナルド教授は、カナダ・ダルハウジー大学で学士と修士を取得した後、カリフォルニア工科大学で物理学の博士号を得ています。現在は、クイーンズ大学で教鞭をとっています。
アーサー・マクドナルド教授、ノーベル賞の受賞おめでとうございます。
~BBC News より抜粋~
スウェーデン王立科学アカデミーは6日、2015年のノーベル物理学賞を、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長とカナダ・クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド名誉教授の2人に贈ると発表した。素粒子「ニュートリノ」の「型」が変化する仕組みの発見が評価された。(2015年10月7日)
クイーンズ大学HPより、アーサー・マクドナルド教授のノーベル賞受賞を称えるトップページ画像
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アーサー・マクドナルド教授の母校であるダルハウジー大学HPでも受賞を祝う
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リサーチが行われたサドバリー・ニュートリノ・オブザーヴァトリー・ラボのHPより
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サドバリー・ニュートリノ・オブザーヴァトリー・ラボ(SNOLAB)は、トロントから400kmほど離れたニッケルの採掘が行われている場所にあります。地下2kmにありながら、3,100 m2 もある観測施設です。このSNOLABのディレクターがマクドナルド教授です。
SNOLAB(スノーラボ)は、ジョイント・プログラムとして運営されており、クイーンズ大学、カールトン大学、ローレンシア大学、アルバータ大学、モントリオール大学などが参加しています。
サドバリー・ニュートリノ・オブザーヴァトリー・ラボを紹介した動画。
ニュートリノ・ディテクターの内部はSF映画のようです。
2007年、マクドナルド教授は、戸塚洋二教授と共にベンジャミン・フランクリン・メダル(物理学)を受賞しています。
ちなみに、ノーベル物理学賞をマクドナルド教授と共に受賞した梶田隆章教授は、戸塚洋二教授の愛弟子です。
戸塚洋二教授は、ノーベル物理学賞受賞者(2002年)の小柴昌俊教授に学んでおり、小柴教授→戸塚教授→梶田教授というように師弟関係が続いているようです。
☆梶田教授の受賞に関しては、日本の様々なメディアで解説と賞賛がなされていますので、詳しくは割愛させていただきます。
岐阜県にあるニュートリノ検出装置スーパーカミオカンデの動画
カナダ人でノーベル賞を受賞した中には、ウィラード・ボイル氏(マギル大学)、ルドルフ・マーカス氏(マギル大学)、ロバート・マンデル氏(ブリティッシュコロンビア大学-ワシントン大学-MIT)、ラルフ・スタインマン氏(マギル大学-ハーバード大学)、ヘンリー・タウベ氏(サスカチュワン大学-カリフォルニア大学バークレー校)、アリス・マンロー氏(ウェスタンオンタリオ大学)などがいます。
カナダ生まれ&カナダの大学卒でも、アメリカの大学院に進んだりアメリカで職に就くなどして、その後、アメリカに移住している人が何人もいて(アメリカ国籍になっている)、結果、アメリカの受賞者としてカウントされることがあります。
日本では、カナダは余り注目されることがありませんが、世界的に認められる学者さんもたくさんいます。
今回、日本の梶田隆章教授と共に受賞されたことで、カナダのマクドナルド教授にも注目が集まればいいなと思います。