海外で学ぶには「学生ビザ」が必要というのが一般的なのですが、カナダ留学では「就学許可証(Study Permit)」が必要になります。
カナダでは、6ヶ月以上フルタイムで語学学校や大学などの教育機関に通うの場合は、就学許可証(以下、Study Permit)が必要になります。語学学校や大学などから入学許可を得たら、早めに手配をしましょう。
すごく簡単な順番としては、学校や大学に申込→入学許可を得る→Study Permitの申請→カナダへ出発というようになります。
申請からStudy Permit発行まで2~4週間かかるといわれています。混雑具合などにもよりますし、各人の申請内容にもよりますので早めに申請してください。
カナダ留学が6ヶ月以内であれば、原則、Study Permitの申請が必要ありません。たとえば、語学留学の目的でカナダに行って半年で帰国するのであれば、通常、申請は必要ではありません。
授業の一部で働く予定(Co-opやインターンシップなど)があるようなときは、半年以内の留学でもStudy Permitが必要になることがあります。詳しくは、入学予定先の学校やコミカレなどに確認してください。
こちらのページでは、一般的な個人留学を想定して簡潔にご案内しています(16歳未満や親子留学などを除く)。
また、Study Permitやビザ関連に関しては、申請方法や規定などがよく変更されるので、詳細はCanada Immigration and Citizenshipのサイトで確認してください。
必要書類の準備
カナダ留学に必要なStudy Permitのオンライン申請をする前には、下記の書類等を準備してください。
・入学許可証
・銀行残高証明
・パスポート
・証明写真
・就学許可証(Study Permit)の申請書
上記の書類等は、申請時にアップロードして提出しますので、デジカメやスキャナーを使ってデータとして保存しておいてください。
・入学許可証
カナダ政府から認可された語学学校、コミュニティーカレッジ、大学などの教育機関から入学許可証が必要になります。
認可された学校や大学等のリストは、 Designated learning institutions in Canadaのページを参照してください。
Study Permitを申請する前には、どの学校に何の目的で留学するのかが決まっていないといけませんので、まずは語学学校や大学などへの入学手続きが済んでいる必要があります。
・銀行残高証明
カナダの教育機関で学ぶ&生活する資金があることを証明する書類が必要なります。通常は、銀行から英文の残高証明といった証明書類を発行してもらいます。
しっかりとした英文の残高証明であれば、日本円表記でも大丈夫という情報もありますが、できれば、カナダドル表記にしてもらった方がよいと思います。
単なるドル表示の際には、アメリカドルまたはカナダドルなのか判断できないことがあります。いずれの通貨で計算されているのか、しっかり記載されていることを確認してください。
地方銀行や信用金庫の一部では英文の残高証明発行に慣れていないことがあるので、大手銀行に早めにお金を移しておいて(当日残高ではなく前月または前々月末の残高証明なることがあるため)、証明書類を発行してもらう準備をしておいた方が無難かもしれません。
奨学金や学生ローンの提供を受ける予定で、自分の銀行口座にまだ入金されていない場合は、金融機関や財団から英文の証明書類を発行してもらってください。
すでに学費や寮費を支払った際には、その領収書も証明書類になります。
カナダ留学にいくら必要かというのは、行く学校や大学等の学費、滞在先の生活費などよって異なります。カナダの大学ページでは、大学の紹介と学費や生活費の一例を出していますので参照してください。
申込み先の学校や大学のホームページにて、留学費用として年間にいくら必要になるのかといった試算が出されていることが多いのでそちらも参照してください。
CICのウェブサイト(2017年)では、個人留学に際して、学校や大学などの授業料に加えて、1年間の生活費として10,000カナダドル(月額約833ドル)が必要と書かれています(ケベック州では11,000カナダドル/年間が必要)。1年未満の留学では、授業料の他に、目安として1ヶ月1,000ドル程度の生活費は必要と考えておいた方がよいと思います。
・パスポート
海外に行くにはパスポートが必要になります。すでにお持ちの際には、パスポートの有効期限を確認しておいてください。
パスポートは名前や顔写真があるページと出入国のスタンプがされたページをスキャンしておいてください。
・写真
Study Permit申請用のデジタル証明写真です。3.5cmx4.5cmのカラー写真が必要になります。
・就学許可証の申請書:Application for Study Permit Made Outside of Canada
Study Permitの申請書は、PDFファイルとしてダウンロードした上で、個人情報や留学先情報などを入力しておきます。
ダウンドードできるリンクを下に記載しますが、アドレスが変更になることがあるかもしれません。その際には、Study Permit申請プロセスの中でダウンロードできるリンクが表示されますのでそちらをご利用ください。
Application for Study Permit Made Outside of Canada (IMM1294)
書式が表示されないときは、ウェブブラウザ上で単に表示させるのではなく、一旦、パソコンにダウンロードしてからPDFファイルを開いてください。PDFファイルを見るには、最新のアクロバットリーダーが必要です。
Photo by Lil_Zebra
カナダ留学に必要なStudy Permitの申請について
カナダ留学に必要なStudy Permitの申請は、基本的にすべてオンラインで行います。以前は、書類を郵送して申請を行っていたのですが、一部を除きオンラインで行うことに変更されています。
簡単な流れとしては、カナダの移民局であるCanada Immigration and Citizenshipのホームページにアクセスして、自分のアカウントを作成した上で、Study Permitの申請を行います。
2017年現在、申請料金は150カナダドルですが、徐々に上昇していますので申請時に再確認してください。クレジットカード(Visa、マスターカード、アメリカン・エキスプレスカード)のオンライン決済で支払います。
予め自分のアカウントを設定するので、審査状況などをホームページで簡単に確認できるようになっています。
オンラインで申請をして許可されれば、Study Permitがダウンロードできるようになります。カナダに渡航する際に、このStudy Permitを印刷して持っていき、カナダ入国審査の際に提示することになります。
カナダ留学のStudy Permitの申請方法
カナダ留学に必要なStudy Permitの申請は、CIC(Citizenship and Immigration Canada)のサイトで行います。
まずは、自分が留学する資格があるのか、確認するチェックリストのページ「Find out if you are eligible to apply」から質問に答えてみましょう。
チェックリストのページで順に質問に答えていけば、あなたがカナダ留学できるかどうかを確認できます。チェックリストのページはスキップして正式な申請ページへ進んでも構いません。
すべての質問に正確に答え終え、特に問題がなければ、リファレンスコードが発行され、Study Permit申請の案内ページが表示されます。リファレンスコードは、Study Permit申請時に入力することで、前出のチェックリストのページで答えた情報が反映されます。
・GCKeyを作成する
Create an account or sign inのページよりGCKeyを作成します。これはカナダ政府のオンラインサービスを利用するために必要なユーザーネームとパスワードを設定するものです。案内では、MyCICアカウントと表現されることがあります。
自分のアカウントを作成することで、自分の申請状況を確認したり、申請が許可さればStudy Permitなどのダウンロードや印刷もできます。
・オンライン申請を始める
自分のアカウントでサインインして、手順に従って入力してください。
質問が順番に出てきますが、ほとんどが選択式ですので一つずつ正確に入力していきましょう。
上記でご案内した入学許可証、英文の銀行残高証明書、パスポート、申請書(Application for Study Permit)、証明写真等は、申請する際にアップロードします。支払いはクレジットカードで行います。
メールで申請結果が送られてくるので、審査が通ればCICのウェブサイトからStudy Permitを印刷することができます。そして、このStudy Permitを持ってカナダに行くことになります。
6ヶ月の語学コースの後にカレッジや大学に入学する予定
6ヶ月以内の語学コースなどに参加した後、コミュニティーカレッジや大学へ進学したいと考えている場合は、Study Permitを申請できるのか迷うところかもしれません。
基本、6ヶ月までの語学コースへの参加であればStudy Permitは必要ありません。しかし、語学コース終了後にカナダのカレッジや大学に進学する予定であれば、Study Permitを申請しておいた方が便利なことがあります。
Study Permitはカナダ国内では新規発行されないため、国外で申請しなければなりません。更新はカナダ国内で可能なため、半年以上留学する予定であるのであれば、予め申請しておくと帰国するなどの手間が省けます。
こういったケースでは、「半年以内の語学コースに入学予定ですが、終了後にはコミュニティーカレッジや大学に進学する予定であるため、Study Permitを申請したい」ことを記した手紙(ワードなどで作成した英文レター)を用意します。そして、Study Permit申請プロセスの中で、Letter of explanationという枠がありますので、そこに追加資料としてアップロードします。
6ヶ月以内で語学コースに通う場合には、Study Permitが必要ないことになっていますが、入国審査官の裁量によって誰でも6ヶ月の滞在が許可されるわけではありません。入国審査での応答が曖昧で就労目的などの疑いをかけられた場合は、正確な滞在目的やカナダに6ヶ月滞在できる資金があることの証明を求められることがありますので気をつけてください。
学生ビザ申請代行サービスを利用することができる
カナダ留学のStudy Permit申請は、オンラインで完結しますので、大使館まで行く必要もなく、その点では負担は少ないといえるでしょう。
アメリカ留学では、アメリカ大使館まで出向いて面接を受けるといった手間がありますので、カナダ留学の手続きはかなり簡素化されています。
オンライン申請では、それほど難しい質問等があるわけではありませんので、翻訳ソフトや辞書片手でもある程度は可能だと思います。
しかし、質問をしっかり理解していないと間違った答えを入力してしまうことがあるかもしれません。ちょっとした翻訳であれば、ココナラやアイディービジネスといったサービスの利用で解決することができると思います。
パソコンに慣れていない方にとっては、書類をスキャンしてアップロードするといった方法が難しく感じるかもしれません。ネットでは一般的に使われている手段なので、検索すれば詳しいやり方が色々と掲載されています。
英会話が初心者でパソコンにも不慣れなので不安があるというときは、学生ビザ申請代行サービスを利用してはどうでしょうか。検索すれば、複数の会社が出てくると思います。
学生ビザ申請代行サービスは、カナダやアメリカなどの学生ビザ申請の代行を専門に行っている会社です。代行費用は会社によって異なりますが、相場的には2~3万円前後(申請料金は別途)になると思います。
Study Permitの申請が難しそうでどうすればいいか分からないからといって、留学エージェントに学校選びから留学手配まですべて丸投げしてしまえ!というのは短絡的かもしれません。必要なところだけ「実費」を払っていけば、自分の選んだ留学ができるのではないかと思います。
カナダ大使館は助けにならない?
日本のカナダ大使館では、学生ビザやStudy Permitの申請受付は行わなくなりましたので、必要であればフィリピンにあるカナダ大使館で行うことになっています。
一般の学生であれば、カナダ留学のStudy Permit申請はオンラインですべて完結しますので、それほど問題はないでしょう。
オンラインで申請することになっているためもあるかと思いますが、カナダ大使館のホームページを見ても参考になる日本語での資料は少ないです。
学生ビザ関連では、CICというカナダ政府のビザ申請を受付けるサイトへのリンク、そして、CVAC/VFS Globalというビザ申請の代行をする民間会社を紹介する程度です。
日本のカナダ大使館のホームページではリンク切れも多く、必要な情報になかなかたどり着けないこともあります。カナダ留学フェアなどはやっていますが、ホームページを見る限りは、日本から留学生を受入れたいという意欲が余り感じられないレベルです(笑)。
★ご注意事項
Study Permitや学生ビザ関連の情報は、移民局の方針やカナダの法律などが変更されることによって大きく変わってしまうことがあります。こちらのページはすべてを網羅しているわけではなく、執筆現在の情報を元に、簡潔にご紹介させていただいておりますことをご留意ください。詳細および正確な情報は、Canada Immigration and Citizenshipのサイトで確認してください。Study Permit申請に関して個別の質問がある際には、移民弁護士など専門家にご相談ください。申請に不安があるときは、学生ビザ申請代行サービスなどを利用されることをお勧めします。