冬がとても寒いカナダでは、滞在先として、学生寮がおすすめです。
理由の一つは、学生寮は大学敷地内にあるので、寒い冬でも通学しやすいことです。もう一つは、一般に寮費には電気代や暖房費が混みになっているので、暖房関連のコストを気にせず、暖かく過ごせるからです。
大学では出欠の管理が厳しく、講義はほぼ休めないので、風邪を引いたりして体調を崩してしまうと辛いです。課題や宿題も多いので、風邪を引いても、のんびり治している余裕はありません。
体調管理という意味では、寒い外にいる時間を減らして、暖かい部屋で快適に過ごせるというのは、当たり前のようですが、寒さの厳しいカナダではすごく大切なことだと思います。
学業に集中できない通学環境の悪さ
冬のカナダでバスや電車で通学するのは、とても大変なことがあります。日本と同じような交通機関があると思っているとひどい目にあってしまうかもしれません。
ホームステイを選んだ際には、どの地域に住むのか、基本、自分では選べません。必ずしも、バス停や電車の駅の近くとは限らないのです。バス停から結構な距離を歩かなければならないこともあります。
交通網が整っている都市中心圏内では、しっかりした駅やバスの待合スペースがあって大丈夫ですが、一旦市街地を出てしまうとガラリと風景は変わって、バス停が貧相になってしまいます。
Phtoto by Diego Torres Silvestre
地方都市では、看板がぽつんと立ったバス停で、吹きさらしの場で待つことは珍しくありません。バス停からホームステイ先の家に帰るときも、寒い中の徒歩は辛いでしょう。
バス通学が大変なので、中古車を買う留学生も結構いるのですが、快適になるかと思いきや、慣れない雪道での事故、スタッドレスタイヤの購入といった冬ならではの出費が増えて、学業に集中できないことがあります。
大学まで徒歩数分で通える学生寮の快適さ
大概の学生寮は、大学の敷地内や大学に隣接したところにあります。徒歩で通える距離にありますので、通学にはとても便利です。寒いバス停で待つ必要もありませんし、小一時間かけてバスで通うといったような、時間のムダもありません。
風邪を引いている中で、バス通学する状況を思い浮かべてみてください。寒さに慣れない留学生にとっては、極寒とも言える寒さの中でバスを待って大学に通い、また、帰りも同じようなことをしなければならないのは本当に大変です。
寒さや雪に慣れている学生はいいのですが、そうでない留学生は体調を崩すことが多く、それが大学の成績にも大きく影響してくることがあります。
カルガリーにあるマウント・ロイヤル大学の学生寮の動画↓ 学生寮から数分で大学へ行けます。大学にはレクリエーションやジムの施設があって、寒い冬でも運動不足が解消できます。学生寮と大学が近いので、一日に何度行き来しても苦にならない距離でしょう。
部屋が寒い?ホームステイ
ホームステイの室内温度は、その家庭によって異なります。運悪く、節約家のホストファミリーに行ってしまうと、とても寒い思いをすることがあります。
寒さに慣れる学生もいますが、体調を崩してしまったり、寒さに我慢できなくて、ホームステイを出てしまう学生もいます。
家族みんなが集まるリビングルームには大きな暖炉があって、暖かいのが一般的だと思います。しかし、各部屋はそれほど暖かくないことがあります。
カナダでは、セントラルヒーティングで家全体を温める家が多いと思いますが、余り温度を上げてしまうと光熱費がとても高額になってしまいます。
共働きのお宅では、日中は人がいないので温度はさほど上げず、帰宅後は暖炉のあるリビングルームで過ごし、夜は早くベッドに入って寝てしまうので、それほど暖房の温度を上げなくても過ごせてしまいます。もちろん、寒さに慣れているということもあるでしょう。
ホームステイをする学生にとっては、家に帰ってきても、暖かい家でほっとする環境とは限りません。また、みんなが寝静まった後に、一人で勉強をしているとさらに寒さを感じることがあるでしょう。
私がホームステイしていたとき、寒さに耐えかねて、帰宅後に暖房の温度を少し上げてしまったことがあります。セントラルヒーティングだったので、家全体の温度を上げてしまうことになり、帰宅したホストマザーに、こんな温度は暑すぎるし光熱費がとんでもなく高くなる!と注意されました。
あまりに寒いので、室内でもダウンジャケットを着ていたり、夜にはスキーに行くような格好をしていたら、「そんなに寒いの?」と聞かれたので、日本で自分が住んでいるところではめったに雪が降らないことを伝えたところ、それなら寒いかもしれないねと多少理解が得られたようでした。
その後で、ホストファーザーが小さいファンヒーターを買ってきてくれました。気持ちはとてもありがたかったのですが、部屋を暖めるには小さすぎて、ないよりはマシなのですが、足を温める程度でした。
※小型のヒーターは火事の原因になるということで、使用を禁止にしているホームステイがあります。購入する際には、使ってもよいか確認をとってからにしましょう。
アルバータ大学の冬のキャンパスです(↓) 寒さが伝わるでしょうか?
アパートは快適、でも、光熱費は高額に!
冬を暖かく過ごすために、自分でアパートを借りることもできます。アパートは、ホームステイや学生寮のように、周りの人に気を使うことが少なくなって快適な生活ができるでしょう。
しかし、冬の光熱費というのは結構な金額になるので、快適さを喜んでいると翌月~翌々月に来る請求書を見てびっくりしてしまうかもしれません。
安いアパートに引っ越したものの、冬の光熱費が家賃並ということもあります。断熱性が低い安アパートは、快適さを求めると、光熱費が予想以上に高くなることがあります。
暖房費込みのアパートもありますので、家賃が少し高めになってもそういったところを選べは思わぬ出費は避けられます。
大学に行っている時間帯は、節電のため暖房を切ってしまう人もいるのですが、特に寒い日は、部屋にある水道管が凍ってしまうことがあります。
運が悪ければ、水道管やパイプが破裂して、高額な修理代を請求されることになります。節約のつもりが、逆に高額出費になってしまうのです。
雪国の人は、家にいなくても一定の温度を保つ必要性を知っているでしょうが、暖かい地域から来た人は知らないこともあります。
暖かくて快適な学生寮
学生寮費は電気代や暖房費が混みになっているケースがほとんどで、光熱費を気にせず暖かく過ごすことができます。
学生寮は色々なスタイルがありますが、温度管理に関しては、部屋ごとに調節できるケースをはじめ、一階ごとや一角ごと、タウンハウス式の学生寮では家全体を管理するというように様々です。
部屋ごとに温度調整できるのが一番いいのですが、タウンハウスのように4人程度のルームメイトと一緒に住むケースでは、カナダ人は温度を下げて、留学生は温度を上げるといった攻め合いになって、争いの元になったりすることがあります(笑)。
学生寮は、光熱費、水道代、インターネット、食事プランなどコミコミ料金になっています。金額だけを見ると値段が高いと思うこともありますが、学業に集中するためには必要と割り切って、多少高くても学生寮を選択する学生が多いのも現実です。
アルバータ大学の学生寮の紹介動画です↓ 暖炉の前からレポートが始まり、暖かさが伝わってきます。カフェ、ダイニング、コンビニ、自習室、ランドリー、ジムなどが揃っており、寒い外に行かなくても施設内で生活ができる快適さがあります。
学生寮が万能ではないけれど・・・
寒いカナダゆえの学生寮の優位性を上げてみましたが、学生寮が全てよいというわけではありません。語学力が足りない留学生は孤立してしまうことがありますし、ルームメイトとの人間関係も難しいことがあります。
英語力が足りないときは、周りの人とコミュニケーションを取ることが難しく、孤立してしまったり、日本人だけでグループを作ってしまうことがあります。それと比べたら、ホームステイの方がよいことがあるでしょう。
異なった考えやバックグラウンドを持つ学生が、同じ環境で過ごすのですから、ルームメイト間の意見の相違や衝突もあります。くだらない人間関係で時間を浪費するなら、アパートに引っ越したり、気の合う仲間とシェアハウスを借りてもいいかもしれません。
カナダの大学の中には、正規学部の学生のみが学生寮に入れるルールになっていることがあります。このため、語学コースに通っている間は、基本、ホームステイになり、どうしてもホームステイが嫌というときは、自分でアパートやシェアハウスを探すことになります。
ホームステイ、シェアハウス、アパート、学生寮と様々な選択肢がありますので、寒い冬対策を含めて、自分一番の学びやすい環境を選んで、充実した留学生活にしてください。