カナダのコミュニティ・カレッジ(コミカレ)は、日本の短大と専門学校が一緒になったような教育機関です。日本ではそれぞれが個別の学校として成り立っているので、ちょっとイメージしにくいかもしれません。
カナダのコミカレの多くは州立で、地域と結びついた教育を提供しています。これによって、地方の学生はお金をかけて都会に行かなくても、地元で高度な教育を受けられる仕組みになっています。
コミュニティ・カレッジの役割は多義にわたっていますが、学位系と職業訓練系があります。
学位系では、一般教養からはじまって、英文、理系、IT、ビジネスなど様々な分野を学ぶことができます。他には、高校卒業認定コース、語学コース、そして、4年制大学に進むための大学編入コースなどもあります。
職業訓練系では、様々な職業に通じる訓練や資格取得コースが用意されています。日本の専門学校の場合は、情報系、美容系、機械系などそれぞれ特徴が分かれていますが、コミュニティカレッジの場合は、それら異なる専門学科が同じコミュニティ・カレッジ内で提供されていることがあります。
どこでも何でも学べるというわけではありませんが、大規模なところでは様々なコースが提供されており、小さいところでは地元産業に密着したような専門性の強いところもあります。
高卒が入学基準であることが一般的ですが、カレッジによっては16~17歳で入学を許可するところもあます。高校卒業資格コースがあるカレッジであれば、高校卒業をしていなくても高校の必修科目を終了すれば、正規の学部コースへ進むチャンスがあります。
コミュニティ・カレッジは、総合大学に比べクラスが小さいので、教室内で質問がしやすかったり、教授やクラスメートと親しみやすいことがあります。
入学基準は大学に比べると低いので、早くから正規学部の授業に参加できる可能性があります。
施設が小規模であるなど、同じ単位のコースでも総合大学より安い授業料で受けることができるため、2年生までは地方のコミュニティ・カレッジで学び、その後、3年生として都会にある大学へ編入する学生もたくさんいます。
留学生にとっては、カナダのコミカレは通いやすい環境にあると思います。
まず、留学生用に語学コースが充実しているコミカレが多いです。留学生がたくさんカナダにやってくるようになった昨今では、正規学部より語学コースの方が稼ぎ頭になっている地方のコミカレもあるほどです。
大学でもホームステイはできますが、コミカレは語学コースとセットでホームステイにも力を入れているところが多いので、留学生にとってはアットホームな環境で学ぶことができると思います。
入学基準となる英語レベルは、大学より基準が低いため、留学生には入学しやすい環境にあります。また、授業料は、通常、大学に比べると安上がりなため、通いやすいという特徴もあります。
多くの留学生がコミカレの語学コースからスタートして、コミカレの正規学部へ進み、その後、大学へ編入学するという進学コースを取っています。
大学に行く学生ばかりではなく、コミカレの正規学部で準学士の資格を取る学生もいますし、専門職に就くために専門コースで学んだり、1年程度で資格を取得する学生もいます。
コミカレは入学しやすく、様々な選択肢がありますので、留学生にとっては通いやすい教育機関です。